ヘッドライトは黄ばむのにテールは何故黄ばみが少ないのか?

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ソニカ テール 自動車関連

ヘッドライトの黄ばみやくすみはよく見かけるのに、テールランプの黄ばみは全くと言っていい程見かけることはありません。

長年不思議に思っていたことをちょっと調べてみました。

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テールランプの黄ばみが少ない謎

使われている材質が違う

ヘッドライトでは主にポリカーボネイトを使い、テールランプではアクリル樹脂を使用することが多い為、黄ばみが少ないと言われているそうです。

下にそれぞれの特徴を挙げてみます。

ポリカーボネイト

  • 耐衝撃性:プラスチック素材の中で最高の耐衝撃性を誇る。その強さは防弾材料に使用されるほど。
  • 透明性:ガラスに等しい透明性を誇る。光の透過率は85%から90%ほど。
  • 耐熱性:優れた耐熱性を持ち幅広い温度環境下での使用に耐えうる。冷蔵庫や電子レンジなど食品用の容器としては最適な耐熱性を持っている。
  • 耐候性:難燃性に優れ、建築材や電気電子分野での使用も盛ん。野外での使用にも耐えうる。
  • 寸法精度:プラスチックの持つ成形収縮率が小さく、加工性が高い。ほとんどの成形方法に対応しており、寸法安定性にも優れている。また精密な成形も可能。
  • 軽量:ポリカーボネート(PC)はそのほかのプラスチック素材に比べて比較的軽いという特性を持つ。まさに軽くて丈夫なプラスチック素材だ。

ポリカーボネート(PC)の特性と用途 耐衝撃性と透明性、加工性の高さ

昔の自動車のヘッドライトはガラスを用いている時代もあった。けれどガラスは重量があり、コストもかさみ、加えて衝突事故を起こした際に破片が飛散し危険性もあるという観点から次第に採用されなくなった。

その代わりにこのポリカーボネイトを使われるようになってきた。という話だ。

上記のようにヘッドライトとしては優れた性能を有している。何より軽くてコストもガラスよりかからない、そして量産も容易。

しかしながらいいところばかりではなく、短所もしっかりある。

それは耐薬品性に劣るところと高温多湿に弱い、という性質がある。

高温に弱い、という弱点から自動車のヘッドライトにそのまま採用するのは耐久性として少々心もとない部分があるので、生産時にヘッドライトには太陽の紫外線を遮るコーティングが施されている。

このコーティングが経年劣化よって徐々に剥がれ、または効力を薄れてきてポリカーボネイトの素材を紫外線が侵してしまい、黄変劣化と呼ばれる症状を引き起こす。

これがヘッドライトの黄ばみのメカニズムであるとされている。

ではアクリル樹脂はどうか。

アクリル樹脂はとても優れた対候性を有し、10~20年程度屋外で使用しても劣化しにくいそうだ。

アクリル樹脂

  • 耐衝撃性:ガラスの耐衝撃性の10倍から16倍を誇る。万が一割れてもガラスのように飛散しない。
  • 耐候性:紫外線や風雨に強く、野外で長年使用しても耐えられる。10年から20年以上でも劣化しない。看板から自動車用まで幅広く使える。
  • 透明性:ガラス以上の透明性を誇る。光の透過率はガラスは92%、一方アクリル樹脂は93%。
  • 剛性:アクリル樹脂の表面は硬く、アルミニウムと同等の硬さを誇る。
  • 加工性:加工性に優れさまざまな製法に対応。金型を使った射出成形、押出成形、真空成形、圧縮成形、注型に対応。また研磨、切削、切断、穴あけ、接着などに適している。
  • 電気絶縁性:高電圧に耐えられる素材で、絶縁性が高い。
  • 温度適応力:マイナス40℃からプラス60℃まで耐えられる。

アクリル樹脂の特性と用途 加工と代表的プラスチック製品

アクリルはガラスをも超える透明性を持ち、水族館の水槽にも使われており強度もガラス以上。それならヘッドライトにも使えばいいのでは?と思いつくところ。

しかしアクリルをヘッドライトに使用すると耐衝突性においては硬すぎるとNGで、万が一割れた場合に割れた部分が鋭角になって非常に危険な為に、ヘッドライトには採用されないという経緯があるそうです。

社外テールランプは黄ばむことも

ハイエース社外テール

http://minkara.carview.co.jp/userid/1910582/blog/31656286/

ごくたまに見かけることがあるのですが、社外品のテールランプは劣化してくすんだり黄ばみが発生したりすることもあります。

純正外のアフターメーカーパーツはそのあたりまでしっかり設計がされていないメーカーもあるのが実情で、こればかりは仕方のないことかもしれません。

 

結論として、テールランプはアクリル樹脂が主な素材であるので黄ばみや劣化が発生しにくいということが言えます。

いつの日か技術が発達して、ヘッドライトが全く黄ばまなくなる日がくるのかもしれません。

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