GM SPS2でプログラミング TECHLINE GDS2

スポンサーリンク
スポンサーリンク
アメ車体験談

昔から気になっていたプログラミング。

ベンツやBMWなどのドイツ製の車はコーディングと称して、車両の細かな調整が一般のユーザーでも気軽に行える環境が整いつつあります。

ポジションや、ヘッドライトのデイライトON/OFF等です。

こういった調整作業、すっごく気になるタチでして。

アメ車でもできないものかと調べたところ、GM車に関してはオンラインプログラミングで対応していることがわかりました。

正確には上記コーディングとはまた別のカテゴリなのですが。

流行りの?デイライトコーディングといった各国様々な仕様へ変更できるという設定はないものの、BCMやECUのキャリブレーション作業を行うことができます。

どういうことかというと、アメ車屋さん等のブログで見かける

「〇〇の不具合で○○のアップデートを行いました」

「GMサーバーに繋いでモジュールを最新のものにしました」

こういった内容でGMサーバーと繋いで車を修理しているような内容のブログありますよね?

コレが自宅でできるようになります。

マスターすればわざわざヤナセへ行かなくても

ヘッドライトAFSのモジュール更新とか、

ミッションの最新変速プログラムとか、

ナビ周りの動作向上とか、

各種センサーのキャリブレーション、

なんかができるようになります。

ワクワクしてきませんんか?

日本では正式にリリースされていない隠された?ディーラーしか知りえないキャリブレーションなどもあります。

しかし、日本でこういったことを行っている人はいないのか?できないのか?

それともそもそもの需要がないのか、検索しても有用な情報は全く得られません。

アメリカのサイトでは数多くヒットしますが、全て英語です。

自分でキャリブレーションができたらどんなに楽しいだろうか…

しかし敷居はかなり高そうだ…

そこで頑張って英語を解読し、

数々のYOUTUBEを漁り、

独学でプログラミングの方法を学び、プログラミングすることに成功しました。

以下に方法を記載します。

スポンサーリンク

GM車両のプログラミングをするには?

プログラミング中の画像

この記事を読まれている方はマニアックな方々ばかりと思われますので基本的に要点だけを羅列していきます。

SPS2を使ってオンラインプログラミングを行うには下記の環境が必要です。

  • Windows 10 PRO
  • J2534パススルーツール
  • GMのアカウント
  • TECHLINEのインストール
  • GDS2のインストール

順を追って説明します。

Windows 10 PRO

Windows 10PRO 認証後

最初の難関です。

要件を満たしたPCがないとそもそもこのプログラミング作業ができません。

作動要件は色々とあるようなのですが、現在だとWindows 10 PRO (64bit)を使用するのがいいようです。

TECHLINE CONECTをインストールして作動させるにあたり、GMが推奨しているスペックが10 PROです。

他、Windows XPを使う方法もあるみたいですが既に旧式化しており、安定動作するかどうか不安が残ります。

筆者のこのPCは既にWindows 10だったのでこの辺は苦労しませんでした。

ヤフオクでPRO用のライセンス取得を格安でサポートしてくれてる方がたくさんいらっしゃるので、その方々の力を借りました。

10からPROに変更するのは簡単ですが、他のPCから乗り換えるにはちょっとハードルが高いかもしれません。

ちなみに10のままだとどうなるか?というと、

ACデルコのサイトに入れず、TECHLINEとGDS2のインストールができませんでした。

J2534パススルー

VXDIAG/GM車用
VXDIAG設定画面

パススルーツールとは車両とPCを繋ぐツールです。

私が今回使ったのは「VXDIAG」という今回の作業のキモとなるツールです。

GM純正機器にMDI、MDI2というものがありますがそれらの代わりになるものです。

できればGM純正のMDI/MDI2を使うのが望ましいのですが、

これらは大変高価で個人が趣味の範囲程度で購入できる価格帯ではありません。

その代わり社外品も多く出回っており、今回紹介するVXDIAGもその中の1つ。

このツールがなければプログラミングを行うことができません。

このVXDIAGというツールですが、ここ数年の間でリリースされたツールのようで比較的最近の物のようです。

価格は日本で業者から購入すると3万前後ですが海外から直接購入すると送料込み1,5万前後位です。

VXDIAG以外のパススルーは5~6万から、というのが相場なのに対してVXDIAGだけが以上に安い。

何故か?やはりというべきか中華製だからです。

信頼性に関しては決して高いとは言えません。

しかしVXDIAGはGMだけではなく全世界の主要車メーカーをほぼカバーしているようです。

トヨタ用、日産用、ホンダ用、といった具合にそれぞれ用意する必要はありますが。

これの上位機種となると1個で全てカバーできるツールもあります。

ですが、残念ながら色々と不具合がでます。

使っているPC、車両との相性が悪かったりすると簡単に通信エラー等起こします。

各ソフトウェアのインストール順序を変えただけでもエラーが起こる繊細なツールです。

GM純正品ではないので、多少の不具合は納得いかずとも目をつぶる必要があります。

そしておそらくVXDIAGが最も安価なオンラインプログラミングに対応しているツールです。

GM・MDI2なんかはまともに購入すると3~40万はかかるみたいで手が出ません。

不具合も安さとのトレードと考えれば納得…?

「諭吉1枚ちょっとでディーラー作業が自宅でできる。」

ということを考えればお買い得とも言えますが…。

GMのアカウントを取得

本国ACデルコのサイト
サブスクリプション購入/ログイン画面

GM(AC DELCO)のアカウントを取らなければサーバーとオンラインで繋がりません。

アカウントを取得してGMのサーバーへとアクセス、

VXDIAGを使って車とPCを接続、

TECHLINE CONNECTにログイン

SPS2を使用して各種キャリブレーションを行う、

キャリブレーションを行う流れとしてはこのようなイメージです。

「AC DELCO TDS」と検索し、サブスクリプションを購入

ライセンスを取得することでオンラインプログラミングが可能になります。

ここでお金がかかります。車両ライセンスは1台40ドルです。

1回購入してしまえばライセンスは2年間有効です。

この間であれば回数無制限で自分の車がイジり放題。

他にも様々なサブスクリプションを販売しています。

ですが、ここでも多数問題があります。

本国ACDELCOのサイトは日本からではアクセスできません。

日本というよりアメリカ以外の国からはアクセスできない仕様になっているようです。

アクセスしようとしてもエラーが出てページが開きません。

基本的にはアクセスできないのですが…

ネットに詳しくてPCに長けている方であれば抜け道はすぐに思いつくでしょう。

日本ではAC DELCOのアクセス方法、SPS2に関しての情報、

プログラミングを行う際のノウハウを公にしてはいけないような雰囲気が業界内にあるようなので、

申し訳ないのですがこの記事でも念のためアクセス方法は伏せさせていただきます。

米国の方の動画を見れば答えは載っています。

アクセスする際、グーグルクローム、Microsoft Edgeは基本的に動作しづらいです。

ブラウザはinternet explorer 11が最も安定動作します。

私はここで苦戦しました。

まさかエッジでも作動しないなんて。

エッジの設定に疑似的にinternet explorer 11として作動できるモードがあります。

これを行えばエッジでも大丈夫です。

ここで大事なことなのでもう1度、

これらの攻略方法は海外のサイトや動画でマニアな方々が詳しく解説してくれています。

日本でもSPSやTLCに興味のある方は絶対にいらっしゃると思うのですが、

何故か世間はログイン方法やプログラミング方法を伏せているんです。

ブログ内でも「教えらえません」と記載があったり、

実際に業者に問い合わせても教えてくれません。

メーカーから教えないようにとお達しでも来ているのでしょうか。

GM TECHLINE CONNECTのダウンロード

SPS2のログイン画面

AC DELCO TDSにログインしてサブスクリプションを購入すると、

TECHLINE CONNECTというプログラミングする為のインターフェイスをダウンロードできるようになります。

GMは古くはTECH2という方法でプログラミングしていました。

それから徐々にSPSという新しい方法へシフトしていったのですが、

21年末頃から完全にSPS2という新たなインターフェイスを用いてオンラインプログラミングを提供しているようです。

TECHLINE CONNECT、SPS2はまだリリースされて日が浅いこともあって参考動画があまりありません。

旧式のTECH2やSPSであればたくさんあるのですが、参考にするのであればSPSの方でしょう。

TECH2は近いうちに完全になくなるものと思います。

TECHLINEはDELCOでアカウントを取得してサブスクのお金を払うとダウンロードすることができるようになります。

無料ではダウンロードできません。

このときオンラインプログラムに必要になる様々なソフトウエア、GDS2やJavaなどは一括で自動的にダウンロードされます。

ここは親切です。

データはそこそこ容量があるので、事前に軽くしておくことをおすすめします。

実際のキャリブレーション手順

車内にPCを持ち込む
VXDIAG接続
TECHLINEの起動
ログイン画面
パススルーの選択
キャリブレーションファイル一覧
キャリブレーション前のBCMデータ
キャリブレーション実施後は番号が一致する

手順としては

1,AC DELCO TDSにログインして購入したサブスクリプションを選択

2,TECHLINEの起動

3,VXDIAGを車両に接続

4,TECHLINEにログインして実施したいプログラミングの選択

5,プログラミング(キャリブレーション)の実行

6,プログラミング終了を確認後、車両の電源を落として30秒待つ

7,更新されたか確認する

おおまかにこのような流れになります。

プログラミング実施の注意点

エンジンはかけずにエンジンスタートボタンを長押しし、メンテナンスモード?で実行します。

これにより10分経過しても車両の電源が切れることはなくなり、長期のプログラミングも可能です。

実施する際はバッテリーが十分に充電されているか確認してください。

電圧が12.5Vを大きくを下回るとプログラミングができない、強制終了する、完了できない、等のトラブルが発生するそうです。

電圧が低くなってくるとプログラミングの項目を選んだときにエラーが出て弾かれます。

PCはWi-FiではなくLANケーブルでネットに接続してください。

回線が早ければ早い程、動作が安定します。

プログラミングする際は念のため、全てのWindowsファイアウォールをOFFにしてください。

完了時に「CREAR DTC」タブを選択し、車両の全てのエラーを消去します。

その後車両の電源を30秒以上OFFにし、再度メンテナンスモードでON。

電源を一定時間以上落とすのが重要みたいです。これでプログラミングのプロセスが正常に完了されます。

怠ると予期しないエラーが出たりプログラミングが正常に完了しません。

プログラミング(キャリブレーション)の内容によってはかなり時間のかかる項目があります。(30分以上)

スタートしてしまうとキャンセルは効かないので時間に余裕のあるときに行いましょう。

その間は常にバッテリーだけで稼働しているので弱ったバッテリーは危険です。

必要に応じて充電するか交換してください。

バッテリー充電器に繋ぎっぱなしにすればいいのでは?

と思われるかもしれませんが、この方法はあまり推奨されないようです。

充電しっぱしによる電圧の揺らぎが悪影響を及ぼす可能性がある為、だそうです。

プログラミングを行うメリット・デメリット

メリット

ディーラーレベルの作業が自宅で完結する。

これに尽きます。

わざわざヤナセやキャデラックディーラーに行かなくてもコンピューター診断が行えて、

悪いところがあればプログラミング・キャリブレーションを行うことで改善できる可能性がある。

車好きにはたまらない?環境だと思うのですがどうでしょうか。

あまり周知されていないアップデートもたくさんあって、それらの作業がやり放題。

今回筆者が行ったキャリブレーションの中には

  • エアコン臭い対策の為のエバポレーターキャリブレーション(アフターブロー)
  • ワイピング拭き取り性能向上のキャリブレーション
  • ミッション変速の際の上質さ向上
  • ブレーキランプ点滅対策のキャリブレーション(本国リコール作業)

こういった内容のプログラミングが用意されています。これらはほんの1部です。

店舗にもよると思いますが、あまりこういったアップデート作業をしないでほったらかしになっているところも多いようです。

指摘されたとき、故障・不具合が発生した時だけ実施する。といった具合。

XTSもアップデートされていない、古いプログラミングバージョンのままな状態が大部分を締めていました。

これら古いデータを最新の物に「自分の手で置き替えていく」

ここに最大の幸福を感じます。

デメリット

万人にオススメできる作業ではありません。

それなりのリスクも伴います。

プログラミングに失敗するとそこの部位が動かなくなったり、破損する可能性があります。

実際やってしまいました。

原因は不明なのですが「K40 MEMORY SEAT MODULE」

をプログラミング・キャリブレーションを行おうとしたとき、

プログラミングがきちんと完了せず、シートモジュール内のデータが全て飛んで運転席シートとサイドミラーが動かなくなりました。

何度やってもプログラミングできず、しばらく動かないまま乗ってました。

結局はヤナセに助けてもらいました。(有料)

まだシートだからよかったものの、これがエンジンやミッションなどの駆動系だったらと思うと…

こういったリスクや、基本的なPC周りの知識も必要になってきます。

使用したVXDIAGというツールですが、困ったことにあまり安定動作しないのです。

インストールがうまくいかなかったり、接続が途切れたり。

USBの接触が初めから悪いのでコードにちょっと触れただけで通信が途切れたりします。

加えてマニュアルがありません。

ネット動画を参考にするしかないのです。

PC周りの知識も含め、プログラミングを行う際の雰囲気というか、勘どころのような所見も必要です。敷居は高いです。

トラブルが起こった際に対処できる程度のスキルがないと、おそらく厳しいです。

始めるにはそこそこの投資も必要です。

J2534ツール代(VXDIAG)

GMアカウント・サブスク購入費用/40ドル

せめて2万は欲しいところです。

難易度は高いけど満足度も高い

一般的にはできない、ディーラーでの作業が自宅でできるというのは満足度は高いです。

並行輸入された輸入車はおそらく正規ディーラーで整備されていない個体が多いので、

ECUやBCMが車両製造時のままといったことも多いでしょう。

そういった車両こそ特に恩恵を受けるはず。

最新のデータへ変更することで車両挙動、不具合の改善が期待できます。

とはいえ車両の頭脳をいじることになるので故障しても構わない、といった心構えは必要にはなります。

難易度の高い作業ではありますが、成功したときの達成感は他の作業ではなかなか味わえないものです。

ここで必要な環境のおさらいです。

  • Windows 10 PRO 64bit
  • J2534パススルーツール
  • GMのアカウント
  • 各種ソフトウェアのインストール(TECHLINE GDS2)

文章化してしまえばたいしたことないのですが、満足に動作させるまで4日かかりました。

インストールに失敗したり、DELCOにログインできなかったり、車両に接続できなかったり、

紆余曲折ありましたが結果的にうまくいって安堵しています。

この間、詳しい方にお話しを伺う機会があって色々と聞いてきました。

「車両のアップデートは携帯のアップデートとは違って、やたらめったら行うものでもない。

部品を交換したとき、故障したとき位。」

とおっしゃってました。

アメ車屋さんのブログなんかを見ていると

「うちはGMのテスター揃えてアップデートもばっちり行ってます。是非いらしてください」

のような雰囲気を出しているお店ありますよね。

客寄せとしてアップデートを売りにしているとしか思えない内容のブログが。

どちらの見解が正しいのかはわかりませんが、車は趣味ですから。

自分がやりたいと思うことをやればいいのです。

危ないと思えばやらなければいいのです。

ですので、筆者はちょくちょくアップデートをかけて、新たな?車ライフを楽しみます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました