OBD2診断機を購入したきっかけは振動しなくなったシートの修理の為です。
所有するキャデラックXTSにはフォワードコリジョンアラート、という危険感知システムが備わっています。
具体的にどんなものかというと、例えば走行車線から車がはみだしそうになったとき、左側なら左の座面、右側なら右の座面がブルブルと振動して(お尻の辺り)はみ出しそうなことを教えてくれます。
そして前方を走る車両や障害物等にぶつかりそうになった場合、全力で両サイドのシートを振動させて危険を感知します。
この機能は2013年代頃からのキャデラック車であれば標準装備されており、GMの他の車両でも採用されるなど幅広く運用されているようです。
このシート振動機能がある日振動しなくなっていることに気づきました。
私はロングドライブが好きです。
ですが、体質なのか2時間程度走るとどうしても睡魔が襲ってきてしまって眠くて仕方ない状態におちいることがとても多く、高速道路をフラフラすることもしばしばあるのです。
そんなときにシートの座面がブルっと震えるとハッとなって一瞬目が覚める、という私にとってとても便利な機能なのです。
それが機能しないままになっているのは勿体ないし、振動しない=故障している。ということを意識しながらのドライブは気分もよくありません。
このフォワードコリジョンアラート機能をOBD2診断機を使用して修理したのが今回の記事になります。
OBD2診断機を使用して車を修理する
AUTELの診断機をチョイス
現在、市販されている車にはOBD2というポートが備わっています。
オン・ボード・ダイアグノーシス(英: On-board diagnostics; OBD)とは、自動車各部に取り付けられたECU(Electrical Controll Unit)にプログラミングされている自己診断機能である。On-Board Diagnosticsの頭文字を取って、OBDと略称されている。当記事もOBDとして述べる。
例えばエンジンの燃料噴射システムを構成する各センサー、および各アクチュエータに、なんらかの異常が発生した場合、エンジンのECU[1]は異常の発生を記憶し、インストルメントパネル(計器盤)の警告ランプを点灯させるなりして、ドライバーに異常の発生を知らせる。この警告灯はMIL(Malfunction Indication Lamp)と呼ばれている。
Wikipediaより抜粋
私もそれほど詳しくないのでここでOBD2についての詳細を話すのは割愛しますが、一般的にはこの機能を使うことはありません。プロの整備士用です。
ざっくり言うと2008~年頃から生産された国産車でもOBD2の採用が義務付けられ、世界的な規格として統一されて現在に至るようです。アメリカ車ではいち早くOBD2を採用して車両管理に役立てているようです。
ではどんな場面でOBD2を使用するのか?
例えば車両整備を行う時、整備士が壊れた部品の修理交換をして作業を完了したとします。
その際に壊れていた部品のせいで発生していたエラーメッセージやメーター内の警告灯をキャンセルする、といった用途が主になります。
他、電子化が進んで複雑化している昨今の車の故障原因の追究=トラブルシューティングにOBD2を利用します。
センサー系のトラブル、プラグの失火、ハーネスの断線、水温異常、車両固有のシステムの動作不良などなど、こういった情報が車にはしっかりと記録されています。
ご存じの方もいるかと思いますが、OBD2のこういった機能を利用して後付け社外品の水温計やブースト計などの計器類を追加することもできます。
その中でもレーダー探知機はOBD2を使った後付け計器として有名なのではないでしょうか。
社外ナビも種類によってはOBD2を利用することもあります。
こういった車をカスタマイズする用途でもOBD2を使うこともありますが、やはり主な用途は車の修理です。
特に電子系のトラブルは目視確認するのが難しい場合もあって、ここで紹介するようなOBD2の診断機で前もって故障原因の「アタリ」をつけることで車両整備・修理を行うのが一般的になっています。
AP200を選んだ理由
このOBD2診断機、スキャナーとも呼ばれる物は世の中にそれこそ星の数ほど出回っていて一般ユーザーにも使えるようなスキャナーも多く、その中の1つが私が購入したAUTELというメーカーのAP200という製品です。
これを選んだ理由として
- コンパクトであること
- 比較的安価であったこと(Amazonで約¥7,800)
- 安価ながらも多機能であったこと
- ほぼ全メーカー対応していること
が理由です。
プロの整備士ではないので頻繁に使用することもないだろうと思い、大きな診断機は収納に困ると思ったので手のひらサイズのAP200はありがたいです。
その価格からすると有り得ないほどの多機能。色々なデータを見れます。
こういった汎用タイプの診断機はどれを選んだらいいかわからない程多くの物があるようですが、私が調べた中ではこの価格帯でここまでできるのは凄い。という声が多数挙がっていました。
以下はAmazonから抜粋したレビューです。
個人使用には最強レベルかと思われます。
中略~特に輸入車や割と最近の国産車(?)で電子パーキングブレーキやバッテリーマネージメント付き等の電子デバイスが多く採用された車種なんかにはおすすめ出来るかと思います。
まぁブレーキパッド交換やらバッテリー交換の際に凄く便利ですよって話です。
そうでなくても、色々なデータが見れますので暇つぶしに車の観察がしたい人や、計器類との誤差とか見ていくのも面白いと思います。
日本語もまぁまぁだし、いいオモチャが手に入りました笑
どうしても消えなかったメンテナンスB1のリセットに成功。
前回はハンドルのスイッチで消せたメンテナンスが、
なぜか実行できませんでした・・・と。
今回はどうしても消えなかった為購入、親切に回答してくれた人が居たので・・・
オイルリセットから見事にリセット成功。
このリセットが普通の車やさんでは出来ないんです。
その他、機能がたくさん。
ATF温度の表示もするし。
これはBENZ乗り、外車乗りかな?には必要です。
父が所有している古いBMWが、しょっちゅうエラーコードが表示されてしまいます。
自分では原因や対処方法が分からなくてエラーコードも消せないから、その都度ディーラーに行ったり呼んだりしては対応していました。
対した対処でなくても毎回結構な費用を請求されてしまいお気に入りのBMWを手放そうかと悩んでいたのですが、旦那さんからこのスキャナーの事を聞いて早速買ってみました。
iPhoneでもAndroidでも専用アプリをダウンロードできて、bluetoothでスマホと連動ができます。
ワンクリックですべのシステムを診断できて画面表示も見やすので、作業もしやすいです。
これがあれば比較的簡単に自分でエラーコードの解除ができて、余計な出費を抑える事もできて父も大喜びです。
bluetoothで接続できる点が気軽に使えて1番の利点ではないでしょうか。
もちろん正確性も問題ないと思います。
2011シトロエンC4ピカソ1.6Tのターボの圧力センサーエラーを消去したく購入しました。
結論としてばっちり問題の箇所にアクセスできてエラー消去できました。フランス車専門店で、機械的な箇所、センサー、配管類も全て新品にしましたが機能的には全く問題ないのにサービスエラーが消えなく、だましだまし乗っていました。(ディーラーは何もできず)
一般的なOBD2の診断機を持っていましたが、問題無しで何もできず。LEXIA3のコピー品みたいなのを中国から買ってみましたがPCへのインストール自体がうまくいかずで、本製品を見つけ試した次第です。
メーカーごとのソフトを使うので問題個所にアクセスできたのだと思います。他メーカー、車種のことはわかりません。中略~Bluetooth接続は機器名選択を悩んだだけで、接続自体はスムーズ、
その後のアプリでの作業も直感的に操作出来て、ユーザーフレンドリーです。
日本語表記でしたが、そんなに変な翻訳もなく実用的で、ケータイで操作できるので、今までも診断機を車載していましたが、本製品は小さなドングルだけなので、車載も負担になりません。
もう免疫もできてしまってますが、電装のエラーが多い車両で出先で動けなくなった時の対策としても安心の製品です。
各種エラーのキャンセルというのは車によっては非常に厄介なもので、ディーラーによってはエラーのキャンセル・診断料と称して1回につき数万円もかかったりするケースもあります。
それがAP200を1台持っていれば自分でエラーやトラブルコードのキャンセルが自宅でできてしまう。
輸入車乗りの方はこれだけでも十分購入する意義があります。
最近の高級車に多いと思われるブレーキパッドの摩耗具合を車両側がモニターしているシステム、これがDIY派には厄介な装備で、パッド交換後ブレーキパッド摩耗警告灯をディーラーなりに出向いて消去してもらわないといけません。
消去しないでそのままにしているといつまでも警告灯なりメッセージなりが表示され続けることになります。
そもそも診断機がなければブレーキパッドの交換すらできない、なんて車もあるそうで。(電子パーキング装備車で多いようです)
AP200自体はドングルのみで構成されていて実際にハードとして用いるのは自分のスマホになります。
AP200を車のOBD2コネクタに差し込んで自分のスマホとBluetooth接続、AP200専用アプリをダウンロードしてあとはスマホを見ながらの作業になります。
このドングル内に車両データが入っているわけではなく、各メーカーごとのソフトウェア(アプリ)をスマホにダウンロードして使用します。
なのでAP200自体はとてもコンパクトな作りになっているのでしょう。
メーカーソフトウェアはほぼ全メーカーを網羅していると思われ、主要なメーカーはとりあえず大丈夫でしょう。ウワサのダイハツもあります。
AP200購入後、最初に選択する1社は無料でダウンロードできます。
追加ダウンロードで1社ごとに21.99ドルかかります。
故障個所の特定
シートを分解する
何故シートが振動しなくなったのか?
私のこれまでの経験的に以下のことが考えられました。
・配線が断線している
・振動機能そのものが故障している
・システムエラーを起こしている
1番可能性がありそうだなあと思ったのは振動機能そのものの故障です。
ですので、まずはシート表皮を剥がしてみてどのような構造になっているのか?探ってみようと思いました。
その結果、私の予想は的中し、以下に続きます。
原因の特定
シート表皮を剥がしてみると四角い小さな黒い箱が出てきました。
中を開けてみるとミニ四駆のモーターにも似た、それよりも一回り小さいかもしれないモーターが現れました。
このモーターに重りをつけて回転させることで振動させていました。
「フォワードコリジョンアラート」と言えば聞こえはいいですが、正体がわかってしまうとなんてことのない装備だなと。
シートが振動しなかった原因はここのモーターの+側配線がちぎれかけて動作しなかった可能性が高いです。通電しなかったのでしょう。
蛇足ではありますが、調べたところ他のGM車両でもこの配線がちぎれたり外れたりすることでフォワードコリジョンアラート機能が失われることがあるようです。
おそらく同年代のキャデラックATS・キャデラックCTS・キャデラックSRXクロスオーバー・キャデラックエスカレードなんかは怪しいと思います。
本国アメリカのサイトで15yキャデラック・エスカレードが同様の症状になっている事例を発見しました。
当時は初物装備だったために適切な配線長ではなかったのだろうと予測できます。
話を戻します。配線がちぎれていただけならば話は早い。繋げれば済むことです。
モーターの故障も疑いましたがシンプルな構造だけに故障するとは考えにくい。
どのみち配線を修理して通電させなければ確認のしようがないので配線を修理します。
家に転がっていた適当な太さの配線を画像のようにバイパス。
本当ならもっとしっかり繋げなければいけないのですが、自己責任ということでこのような形にビニールテープでグルグル巻いて絶縁しておしまいに。
よし。これでシートの振動が復活するはずだ!
試走してみると一向にシートは振動しません。
シートに格納するときに配線が外れたのかと思い、確認してみるも問題なし。
何故??どうしてシートが振動しないのか???
あれこれ考えて、ふと1つの問いが頭をよぎりました。
なんらかのトラブルコードが残っているからシートが振動しないのではないかと。
OBD2診断機を使って実際に修理してみる
トラブルコードの特定
配線を繋げても振動しない。
これはシステム上でなんらかのエラーが残っていて弾かれているのかもしれない。
そう考え、youtubeで同じような症例を探しました。
そうすると1つありました。同じようにモーターが動かなくて振動せず、それを修理しようとする動画が。
その動画の最後に、診断機を使って何やら操作している様子が見えました。
これはもしかして何かのエラーをキャンセルしているのではないかと。
ここで私は初めてAP200をAmazonから注文したのです。
アテが外れればそれはそれで楽しめるかなと思ったので。まあ出費は純粋に痛いのですが。
で、上記の画像がAP200を使った実際の画像なのですが、我が愛車にスキャンをかけてみると結構ありました。エラーが。
フォルト、という項目がトラブルコードが残りっぱなしになっています。ということです。
部品交換や脱着、修理をした際に実際は問題なくてもエラーはそのままになっている可能性もあります。
それは後ほどエラー解除するとして、探していくとありました。怪しいトラブルコードが。
「運転席 左 リア 体感 作動 モーター」
という項目でステータスがショートとなっています。場所的にもビンゴだしステータスも納得のいく状況です。配線がちぎれていたので。
この項目のトラブルコードを消去。
その後、試走してみるとバッチリ直りました。シート振動機能の復活です。
トラブルコードは百害あって一利なし?
正直ここまでうまくいくとは思いませんでした。
今まで診断機の類は興味はあったものの、難しそうで敬遠していたので。
国産車であればメーターやナビ画面に何かしらのエラーや警告灯が表示されたとしても、ディーラーやその他整備屋に持ち込めば大体の面倒は見れるでしょうが輸入車はそうもいきません。
特に地方にお住まいの方で日々のメンテナンスも大変な地域など、警告灯のキャンセル位で何時間もかけてディーラーにドライブ、というのは時間とお金にもやさしくありません。
輸入車にお乗りの方でDIY派の方は何かしらの汎用診断機の1つ位は手元にあってもいいのではないでしょうか。
私のXTSはヤナセでしか正規輸入されていない車とはいえ、実際にヤナセに持ち込んでもよくわからない部分が多いみたいでこれといった回答が戻ってこないこともあります。車両の絶対数が少ないので仕方ないのですが。
最初にAP200でXTSをオートスキャンをかけたとき、そこそこの数のトラブルコードが検出されたのですが一括クリアしてからはほぼ全てのトラブルコードは消去できました。
私のようなレアな輸入車に乗っている方は診断機を車両に常備させておく、位の勢いがあっても構わないと思ってます。出先でのトラブル対応で役立つかもしれません。
前述したように誰かが車両整備時に部品脱着・交換をしてそこで拾ってしまったトラブルコードを消去しないままにしていたのかもしれないし、
そもそもの車の状態が悪かったのかはわからないのですがとりあえずは消去したエラーの再発は起きていません。
トラブルコードを消去しないでそのままにしておくと今回のように車の機能・システム的にも不全な状態を作り出してしまう可能性があるのでほったらかしは良くないようです。
聞いた話だと車によっては何をしても消えないトラブルコードなんかもあったりするようですが、そこはそんなもんだと割りきることも必要とのこと。
予想以上に使いやすかったAP200
診断機入門編としても使いやすく、それでいて色んなライブデータも取れてDIY派にとってはいいオモチャになることは間違いありません。
日本語にも対応しているのであまり困ることはありません。時折おかしな日本語が現れますが大体の意図は読み取れます。
ただスマホの充電には要注意といったところでしょうか。みるみる減っていきます。
これからは時々AP200でトラブルコードのチェックをしながら愛車と上手に付き合っていきます。
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