近ごろの夏は本当に暑い。
40度超えを記録するようになり、そんな日は外出するのが危険なまでのレベルになっています。
同時にそれは車にとっても過酷な季節と言えます。
真夏日の車内はとても乗っていられない温度まで上昇します。
ダッシュボードにライターやスプレー缶などの可燃物を置いていると発火する、とか以前テレビで見ました。
そんな暑い日は当然ながらエアコンをつけて車を運転することと思いますが、
車のエアコンがクサいことってないですか?
それは車のエバポレーターが大半の原因です。
エバポレーターにゴミや異物が詰まったり、カビなどが繁殖することでニオうようになってしまいます。
このエバポレーターを洗うことで劇的に車内のニオイを改善させることができます。
汚れの程度によってはエアコンの「効き」もよくなって、より冷たい風が出るようになります。
私は過去所有している車には大体エバポレーターの洗浄を行ってきました。
高い効果が見込めるからです。
その効果と方法をここで記載します。
エバポレーターを洗浄する
エバポレーターとは
エバポレーターには外気を含めて大量の空気が送り込まれます。このため、エバポレーターのフィンにはちりやほこりが堆積しやすいのです。堆積したちりやほこりは、冷房によって発生する水分をたっぷりと含んだ状態になります。その状態でエンジンを停止して駐車することは、換気が悪く光も当たらない環境=カビが発生しやすい環境に置かれることを意味します。もちろん車室内でタバコを吸う方であれば、たばこから出るヤニも大量に堆積することになります。
これらのちりやほこり、カビ、ヤニは、エアコン使用時の悪臭の根源になります。困ったことに、一度エバポレーターに付着してしまうと並大抵のことでは排除することができません。
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1505/21/news018_3.html
専門的なエアコンの仕組みなどは色々なサイトで解説されているので、そちらをご覧ください。
すごく簡単に言うとエバポレーターを使ってエアコンの冷風を作り出し、車内に送り込んでいます。
このエバポレーターは外気を取り込んでいるので大気中のホコリや排気ガス、大きなものになると枯れ葉などが付着してしまいます。
エバポレーターには水滴が付着します。
その水滴とホコリなどが呼び寄せ合って泥状に固まり、積もりに積もって目詰まりを起こしてエアコンの風量の低下を招くばかりか悪臭の原因にもなってしまいます。
エバポレーターを洗浄してみる
数々のサイトなどでも紹介されている通り、エバポレーターの洗浄はとても効果的。
ちょっと昔話をさせてもらいますが、以前私が乗っていたアメ車にリンカーン・タウンカーという車がありました。
リンカーンブランドのフラッグシップとなる高級セダンだったのですが、そんなキャラクターの車なのにもかかわらず、
エアコンフィルターの設定が無かった為に外気から取り込んだホコリやゴミなどが直接エバポレーターに届いてしまい、
直接確認したワケではないのですがかなり汚れてるであろうことが予想される車でした。
エアコンをつけるとカビ臭いニオイがするし、そう思うのも無理はない車でしたね。
エアコンが臭うのとは別に、タバコのニオイも気になる車でした。
私と妻もタバコは吸わないのでタバコのニオイには敏感です。
ディーラーで専門業者による室内クリーニングを実施してもらったのですが、だいぶマシにはなったもののタバコのニオイは完全には拭いきれず。
タバコくさいしカビくさいし、外観の見た目はキレイでしたが車内に乗り込むと色んなニオイがミックスされて、臭いとまではいかないものの、なんとも言いようのない独特なニオイを発していました。
ですけど初めての外車(アメ車)ということもあり、これがアメ車のニオイなのかな?と思いながらしばらくは乗っていたんです。
そこである日、今回紹介するようにエバポレーターを洗浄するというクリーニング方があることを知り、
実際にやってみたところ今までの室内のニオイがウソのようになくなり、かなり快適な車内になったことを鮮明に覚えています。
合わせてエアコンの風量と効きも良くなりました。
今回も過去の成功例と同じく、効果を期待して実施してみました。
使用した薬剤は「カーエアコン洗浄・スーパージェットマックス」
という洗浄剤。
子供が考えそうな安直なネーミングですがこれが最も値段が安く、容量も多くてコスパがいい印象でした。
私達個人がエバポレーター洗浄を行うときは洗浄剤はなるべく多く手元に持っておいたほうがいいです。
理由は経験上、1度の施行ではキレイになりきりません。特に初回は。
ヒドイとこんな感じのエバポレーターになっています。
1本数千円はするのであまり何本も購入すると~万円の出費になり、コスパは悪くなってしまいます。
2~3本程度が妥当なところでしょうか。
エバポレーター洗浄工程
グローブボックスカバーを外す
エバポレーターを洗浄するにはグローブボックスを外します。
大抵の車はグローブボックスカバーを外すことでエバポレーターにアクセスできるようになりますが、
車によって異なるので事前に下調べが必要です。
ボンネットからアクセスできる車もあれば、ダッシュボードを取り外したりインパネを全てバラさなければダメだったり、様々です。
簡単にアクセスできるように祈りましょう。
キャデラックXTSも世の中の主流に逆らわず、グローブボックスカバーを外してアクセスします。
ただ、この車結構めんどくさいです。
カバーだけではなくCDドライブとトレーもごっそり外さなければなりません。
これば同年式のキャデラックATS/CTS/SRXクロスオーバーも同じ作りです。
エアコンフィルターを外す
CDドライブ周りを外してようやくエアコンフィルターへ辿り着きます。
フィルターカバーを外してフィルターを取り出します。
フィルターを交換したのは2年前ですが、1万kmも走っていないのでそんなに汚れていませんでした。
少し土埃が挟まっている位。
このエアコンフィルターを外した奥底に風を送り込む為のファンがあります。
このファンが扇風機のような役割を果たして車のエアコンの風を作っています。
ここにエバポレーター洗浄剤を注入するワケです。
エバポレーター洗浄剤を注入する
エバポレーター洗浄剤の注入は施行マニュアルに沿って実施します。
- 室内循環
- エアコンON
- 温度はLOW/風量最大
- 吹き出し口は足元固定
以上のようにエアコンの設定をし、エバポレーター洗浄剤を画像のようにファンへと吹き付けます。
洗浄剤はファンへ吸い込まれてエバポレーターへ辿り着き、エバポレーターを洗浄します。
使用したカーエアコンジェットマックスのマニュアルによると数分かけて洗浄剤容量の半分を使用し、それを1台分としているようです。
筆者は1回の施行で1本使用し、2回施行しました。
1回、半分の施行ではおそらく汚れは取りきれないだろうと思ったので。
おそらく3~4本使っても完全にはキレイになりません。
後述しますが、ここで紹介するような市販品の洗浄剤を使っての作業は限界があります。
キレイにはなりますが洗浄力自体はさほど強くはないです。
さて、エアコン排水ドレンの下にトレーを置いて汚れた水の状態を見てみました。
1回目、2回目と比べると2回目の方が汚れが薄まっているのがわかるかと思います。
これを何回も続けていくとどんどん透明度が増していくのでしょう。
新品のエアコンフィルターを取り付ける
エバポレーター洗浄作業が終わったら、エアコンフィルターを元に戻して終了です。
なるべく新品のエアコンフィルターを使いましょう。
新品のエアコンフィルターを使う時、私は昔からわさびデエールという物を毎回使用しています。
わさびの持つ抗菌作用でエバポレーターの悪臭を防止してカビの発生を抑制してくれる、というアイテムです。
ニオイを嗅ぐとわさびのツーンとしたニオイが強烈に香ります。
実際に効果があるかはわからないのですが、安いし国産ディーラーやヤナセでも取り扱っていたり、そういった部分からも信頼がおけます。
ないよりあったほうがいいのかな?と。おまじない的なものと思って毎回付けてます。
しばらくはわさび臭さがエアコンから出てきますが、1週間もすればなくなります。
DIYエバポレーター洗浄のメリット・デメリット
メリット
- 安い
- 比較的手軽にできる
- エアコン周りの知識が得られる
- 状態を確認できる
安い、ということが最大のメリットです。
洗浄剤は色々なメーカーから発売されていて、トヨタや日産、ホンダなどのディーラーでも取り扱っています。
ネットでも簡単に手に入り、フリマやオークションでも運が良ければ市場より安く手に入ります。
作業するにはグローブボックスを外さなければならなかったりと、ひと手間はかかってしまいますが
作業工程を進めていくうえで普段見えないエアコン内部、フィルターの状態を確認できるのもメリットと言えます。
こういったことでもなければ積極的にエアコンフィルターの状態を確認することもありません。
統計では車を所有している約4割の人がエアコンフィルターの存在を知らなかった、というデータがあります。
意外にエアコンフィルターの存在は知られておらず、となればエバポレーターの洗浄など知りえるはずもないでしょう。
DIYで作業することでフィルターやエバポレーターを清潔に保とうという意識が高まることと思います。
デメリット
- 効果は低め
- 洗浄できているか確認が困難
- 再発率が高い
- 短いスパンでの洗浄が必要な場合有
安価な一方、洗浄効果は高いとは言えません。
特に完全に目詰まり起こしてしまったエバポレーターにはほとんど効果はないでしょう。
ブロアファンから洗浄剤を注入するという工程ではエバポレーターへの距離が遠く、車種によっては満足に行きわたらないこともあります。
一方で排水ドレンから洗浄剤を注入するという工法もあります。
エバポレーターへ直接噴霧できる可能性は高まりますが、目視するのが困難なのは変わらずしっかり洗浄できているか懐疑的な部分も。
どちらのやり方も洗浄方法自体が「洗浄剤による汚れの溶解」という性質上、取れる汚れには限界があります。
洗浄剤自体もエバポレーターに残留しやすく、それを寝床にまた新たなカビの温床になりえる可能性もあります。
完全にキレイにしたいのであれば、エバポレーターを取り外してハブラシ等で直接汚れを取ったり、
高圧洗浄機を使って汚れを吹き飛ばす等の作業を行う必要があります。
こういった作業を行うのは個人では難しく、専門業者が取り扱うメニューになってきますので費用もかかってしまいます。~万単位でしょう。
1度洗浄しても汚れがヒドイ場合だとすぐにニオイが再発してしまったり、短い期間で何度も洗浄する必要がでてきてしまうことがあります。
簡易洗浄でも効果はある
業者に出すのはお金がかかる
手軽にエアコンのニオイをなんとかしたい
そんな人にオススメの方法です。
業者が行う洗浄よりもやはり効果が低いのは否めませんが、それでも効果がないわけではありません。
最近の乗用車の多くはエアコンフィルターが装着されていて、エバポレーター自体が酷く汚れることは稀です。
直接エバポレーターを洗浄できればいいのは勿論なのですが、
酷い汚れでなければこういった施行方法での洗浄で十分対応できることも多く、ニーズの高まりもあって洗浄剤自体も年々進化している印象です。
完全にエバポレーターの汚れを取りきるのは難しいにしても、悪臭はかなり改善できます。
気になる方は1度試してみてください。
年1の施行でも十分効果はあります。
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