私も施行しているアルミテープチューン。トヨタが発表してからしばらく経つものの未だに注目度が高い。
このアルミテープチューンについて調べていたところ、エンジンルーム内の部品やそのほか外装樹脂部品に施行しても効果があることが判明した。
当初は静電気を除去して整流させる。というのが目的だった。
それがエンジンルーム内の帯電物、例えばインテークマニホールドやエンジンヘッドカバー。そしてサスペンションにも効果がある。とのこと。
ここまでくると貼る場所が多すぎて、一体どこに貼れば効果が見込めるのか?わからなくなってくる。
ここではアルミテープチューニングそもそもの理屈と、車のどこにアルミテープを貼れば効果があるのか?私が調べた内容を記載していく。
トヨタ・アルミテープに関する参考記事
・86“KOUKI”進化の真価 トヨタ自動車 多田哲哉(3)空力が激変!“魔法”のアルミテープの謎を告白
トヨタ考案~アルミテープ設定の狙いと効果
アルミテープ効果は直進性・操舵安定性の向上
そもそもこのアルミテープを貼る意味、敬意はどういったものだったのか?
発表当初は車体に帯電している静電気を除去することで、その車本来の性能を出せる、または向上させる。といったもの。
バンパー、ドアガラス、フロントガラス下部、ステアリングコラム下へアルミテープを貼ることで車体の静電気を除去。
空気の流れを整えて直進性能や車体の安定性、操舵安定性を図る。
この静電気は走行中の空気との摩擦でボディに静電気が帯電し、静電気が原因で走行中の車の周りの空気抵抗が増大して本来のポテンシャルが出せない。
なので車体の静電気をなんらかの方法で取り除いてしまえばいいのでは?と考えていきついたところがアルミテープだった。という話。
アルミテープは効果がない。貼るだけムダ。プラシーボだ。
様々な否定的な意見が今でも聞かれる。車両によっては効果が出にくいという事実も確かにあるようで、そういった結果が否定的な意見を生んでいるようではある。
効果があるのかないのか?半信半疑な人も大勢いる。
だけどアルミテープで除電した結果車両の挙動や特性が変化した、というのは間違いなく事実に基づいた結果であり、プラシーボでもなんでもない。
まだ試していない人はこの記事を読んでいただいて是非試してもらいたい。
アルミテープの特許を取得した意味
アルミテープで静電気を除去すれば車の性能が向上する。
上記の内容のような記事を目にしたのが最初だった。
信じられないような話ではあるけど、天下のトヨタがお金をかけて特許申請までしたのだから効果がない。ということはないだろう。
私は車設計・開発の仕事に携わっているからか、日々コスト管理に追われているトヨタ社内の仕事ぶりは容易に想像がつく。
ただでさえ「コストの鬼」と呼ばれるのがトヨタ。
それほど徹底したコスト管理・削減を目標に掲げて車作りを行っているメーカーだ。
そんなトヨタが特許を取得してまで発表したこの情報、まさかウソということはないだろう。特許取得にはコストもかかるし時間もかかる。
わざわざこのようなことをしてまで発表したこのアルミテープチューン、否定的な意見も多く聞かれるけど私は大いに賛同する。
そしてこういったオカルトめいた分野で特許申請したという部分、おそらく社内では反発した方もいただろうと察する。
ヘタをすればトヨタブランドに傷がつきかねない。
そういった反対意見も押し切って大々的に発表したのだから自信の表れとも言えるのではないかと思う。
アルミテープは市販の物で構わない
特別高いアルミテープを用意する必要なし
アルミテープであれば効果が見込め、かつ耐候性のある物が望ましい。その要件を満たせばホームセンターで売られているようなアルミテープで十分。
たかだか数百、高くとも千円以内の物で愛車のパフォーマンスがアップできるというのだから、試さない手はない。
しかし貼る際には注意が必要。ただ切って貼っただけでは効果が望めるかどうかは少々心もとない。
施行する前にアルミテープにカドを多く設けるようにカットすれば、より安定した効果が望めるとのことだ。
具体的にはギザギザに切ったり、トヨタ純正品のような形を真似るのもいい。
静電気は端部によって除電される。
よって端部が多ければその効果も高まる可能性がある。
また、貼ったアルミテープにツメでちょっとキズをつけるのも有効とのことだ。
アルミテープ糊面の導電性の有無は重要か?
アルミテープは通常裏面は糊面になっていて、この糊面の導電性の有無によって効果があったりなかったりするのでは?という説が出ている。
接地場所とアルミテープ地を糊が邪魔をして除電しないのでは?と。
私が調べた限り、糊面には導電性はなくても効果がある。
ただ導電性があった方が望ましいことは確かで、より高い効果を望むのであれば導電性のある物を用意した方がいいだろう。
アルミテープを車に使用するのは不適な物も
アルミテープそのものはどこにでもあるもの。だけど車に使用するとなると話が変わってくる。車に使うには不適な物も多く、注意が必要。
私が最初にダイソーで購入した物は粘着力が弱くてすぐに剥がれ、とても使用できる代物ではなかった。
このことから数多くの車製品で実績のある3M製のアルミテープをオススメしたい。
3M製は糊面の導電性も保証されており、価格も特別高くない。
車で使用するには3M製品以外では対候性の基準を満たせないとメーカーで言われている程、信頼性も高い。
他、調べた中ではニトムズのアルミテープが高評価。安価で幅広、導電性もあるとのことだ。
アルミテープは様々な場所へ応用が可能
エンジンルーム内にも
最初は上記に記述したように外装部品、フロントガラスやバンパー等に貼り付けて整流を促す。という技術しか知りえなかった。
しかし調べていくうちに他の部位にも応用が可能ということがわかってきた。それもかなりの範囲。
例えばエンジンルームにも応用できる。
トヨタが公表した情報の1つに帯電電荷荷重を低下させて機関出力を向上させる。
と題して、エンジンルーム内の非導電性部品にアルミテープを貼り付ければエンジンの出力の向上が見込める。というもの。

上記URLにエンジンヘッドカバー、シリンダーヘッドカバー、マニフォールド、タイミングベルトカバー、それぞれにアルミテープを貼り付けるとエンジンの静電気が除電され出力が向上する。と記載されている。
その原理を簡単に説明すると、
エンジン本体、シリンダーヘッド、エンジンヘッドカバーは1000Vもの高電圧になる場合があることが確認されていて、
吸入空気の流入作用、排気ガスの流出作用について実験を行った結果、エンジン本体の電圧値が高電圧になると吸気抵抗および排気抵抗が増大し、機関出力が低下する、という話。
この高電圧を除去するために樹脂製のパーツ、ヘッドカバーやマニフォールドにアルミテープを貼り付ける。そうすることでエンジン出力が向上する。
もっと簡単に言えばプラスチックの部品にアルミテープを貼ればパワーアップします。と言っているようなもの。ウソみたいだけど本当の話。
静電気が空気の流れを邪魔して設計通りの空気流入が得られない。
その静電気をなくしてしまえばいいんじゃないか?という考え。
アルミテープを貼ると効果があるとされている場所は?
エンジンルームは序の口でインレット、エアクリボックス、ショック、ホイール、ハブ、ブレーキ、マフラーリング、燃料タンク、オイルパンetc…
樹脂製の部品、回転体、空気との摩擦がある部品であればどれにでも効果が出る可能性があるのではないか。私にはそう見えてくる。
実際これらの場所に貼り付けたユーザーの感想は多くが変化があった、と認めている。
ショックに貼ったら硬くなった、アルミホイールに貼ったらダストの付着が少なくなった、などなど。
車種によって効果があったりなかったりするのは車体そのものの持つ静電気を元々逃がしやすい車とため込みやすい車があるのでは?とする説もあり、実際どのような効果があるかはアルミテープを貼って試してみるしかない。
アルミテープは貼ってはいけない場所もある
アルミテープを貼って効果が得られない場所
上記で少し触れたように車も千差万別、効果があったとされている場所に貼っても効果がなかったどころか、逆にパフォーマンスが落ちる場所もあったとの話も。
適切なポイントを選定するには、やはり貼ったり剥がしたりを繰り返して効果のある場所を少しづつ探っていくしかない。
私の所有するキャデラックDTSのEGRバルブ(上記画像)にアルミテープを貼ったところ、エンジン始動後車体がブルブルと異常振動しだし、メータークラスター内に異常を示すエラーメッセージが表示されたことがある。
このように貼り付け場所によってはマイナスに作用することもあり得るので注意が必要。
アルミテープをたくさん貼るのもNG
どこに効果が出るのかわからないから、とりあえず思いつくところ全てに貼ってみる。こういった行為は逆に悪い結果となることが多いようだ。
面倒だけど前述のように少しずつ貼っては剥がす、のトライ&エラーを繰り返すのがベターであると思う。
アルミテープの貼り付けるポイント
外装部分
静電気は空気の動きのある場所でしか放電されない。
そして静電気を帯びるのは非導電性の物質。なので基本は空気の流れのよくある場所、前後バンパーなどの外装パーツから貼り付けていけば効果を探りやすいのではないかと思う。
下図はアルミテープをここに貼れば効果的、とされている参考の画像。

https://patentscope2.wipo.int/search/ja/detail.jsf?docId=WO2015064195&recNum=1&maxRec=&office=&prevFilter=&sortOption=&queryString=&tab=FullText
・トヨタ・アルミテープ貼り付け参考資料
車のタイプの違いから完全には参考にはならないかもしれないけど、ここまで貼るポイントがたくさんある。
他にも様々なことが記載されているので参考にしてもらいたい。
個人的に注目しているのはリア。F1に詳しい友人がいるのだけど、その友人はしきりにリアの空力を力説する。
F1ではリアの空気を剥がすことが重要で、リアへ巻き込んだ空気が車体を進行方向とは逆に引っ張る力が働く。この力は意外に強く、走行の妨げとなる。とのことだ。
近年のトヨタ車ではテールランプに突起を設けている車種が多く見られる。
トヨタでもそうした空力の実証データが積みあがってきて実車へ装備し始めたのか、
それともテールであれば安価で装着できる(型造形に折り込めばいいだけ)のでとりあえず、といった意味合いで装備しているのか、真意はわからない。
だけど注目していることは間違いない。それだけ空気の及ぼす影響というのは無視できないということだ。
車体以外での貼り付けポイント
ここに車体以外での貼り付けポイントまとめてみた。
この多くは実際私が試した部分ではなく、単純に調べた項目であるので効果を保証するわけではないのであしからず。
ここはわかり次第随時追加していくつもり。
室内
ステアリングコラムカバー ヒューズボックス 各電装品
エンジンルーム
エアクリーナーボックス インテークマニホールド インテークダクト ヒューズボックス バッテリーマイナス端子 バッテリーケース バッテリー蓋 エンジン/AT制御用CPU
足回り
ホイール ホイールキャップ ショックアブソーバー スプリング ホイールハウス
その他
アンダーカバー ワイパーアーム ハッチダンパー
<トヨタのアルミテープ特許情報はこちらから>
トヨタ推奨のアルミテープ貼り付け場所
トヨタが特許を取得した際の特許情報をこちらにまとめてあります。
現在、アルミテープ除電に関する情報のほとんどは元を辿ればここの研究論文にたどり着きます。
・車両用帯電電荷低減装置(ステアリング、ステアリングコラム等)
(車両の操縦性及び走行安定性を向上させる。)
(帯電電荷量を低下させて吸気効率を向上させる。)
(帯電電荷量を低下させて冷却効率を向上させる。)
(帯電電荷量を低下させてエアクリーナ、エアフィルタの吸気効率を向上させる。)
(車体の空力特性の悪化、操縦安定性などの走行性能が低下を抑制。)
(排気系部品の除電、機関出力が向上。)
(インバータ、コンバータの制御性などの静電気を抑制、駆動モータの出力トルクの変動などの車両の走行性能の低下を抑制。)
(潤滑油又は燃料を除電して機関の運転応答性を向上。)
(ショックアブソーバ内オイルの電荷の帯電、減衰力が過剰になることを防止。)
(車輪支持装置の軸受内のグリースの電荷を除去、軸受内の粘性抵抗増加を防止。)
(制動力発生装置内のグリースの電荷を除去、軸受内の粘性抵抗増加を防止する。)
読み難いですが、これらを熟読すればどこに貼り付ければいいのか?といったことや、アルミテープチューニングに関する理解が深まります。
車両に施行する際の参考にして下さい。
アルミテープチューン実際の施行例
~ホイールキャップにアルミテープ~
通勤車であるソニカは今スタッドレスを履いていて、ホイールはスチールだ。
当然スチールホイールにはこのホイールキャップを装着することになるけど、このホイールキャップにアルミテープを貼り付けると良い効果が期待できる、とのこと。
その「良い効果」を確かめるためにも早速貼り付けてみた。
画像のように裏面にギザギザにカットしたアルミテープを対角上に2枚貼り付け、効果を確かめてみる。
ちなみに全くの余談であるけどこのスチールホイール、実は前車であるスバル・R2からの流用。
取り付けに当たってはハブ径が気になったけど、R2のハブ径は59mm、ソニカは57mmで装着は可能。
ただハブ周りに少しクリアランスができてしまうけど、通常街乗り走行であれば全く問題ない。飛ばせるタイヤでもないし。
その効果は予想を超えるものでロードノイズの減少に繋がった。
スタッドレスはゴーゴー・ゴロゴロと常にうるさいものだけど、それが明らかに緩和している。少ししっとりとした感触に変化した。
タイヤに設置感が増してアルミテープ無しのときよりもスーっと走っているような、不思議な感覚だ。
本質は車を楽しむということ
なぜこのような話がここまで話題になったのかといえば、みんな車を楽しみたいから。と言える。
私は自分で部品を交換したりするのが好きで、結果的には手間がかかってもそれで良しとしている。
効果があったと言う人や逆に望んだような効果が表れず否定的。
プラシーボでは?と疑う人も、みんな車が好きで実際にアルミテープを貼り付けて試したからこそ出てくる意見。
愛車が速くなったり、乗り心地が良くなったり、燃費が向上したり、このアルミテープチューンを試した人、試そうとする人、誰もがそういった変化を楽しんでいる。
今や車は電子化の一途を辿っている。完全自動運転車が出るまでそう時間はかからないはず。
現在でも駐車アシストや自動ブレーキ機能を備えた車が数多く発売され、車の進化は近年すごい速さで進んでいると感じている。
このように車が最新デバイスを纏ってどんどんデジタル化している一方、未だにアルミテープを貼り付けただけのアナログ施行で愛車の変化に一喜一憂できてしまう。
ここにとても面白みを感じる。まだまだ車も私達が知らない側面があるんだなあ。と。
何十年かするとガソリンエンジンは姿を消すと言われているけど、意外にもそんなことはないのかもしれない。
アルミテープ貼り付けの基本はコラム下とフロントガラス
私が色々試した中で最も効果的だと感じたところは、コラム下とフロントガラス。
やはり記事公開初期の基本的?なところに施行した方が車種を問わずに効果を実感しやすいのかもしれない。
これからやってみよう、という方はまずはこの2つから試してほしい。
ただ、車によっては全く効果の出ない車もあれば出やすい車もある。
どうなるかは正直アルミテープを貼ってみなければわからないので、少しでも興味があればまずは貼って試してほしい。
トヨタ自動車エンジニアの弁
クルマは“全体最適”が必要であって、効果的な場所を見つけるためにはノウハウが必要です。“アタリ”の部分に貼れれば効果的ですが、“ハズレ”の部分に貼ってしまうと、かえって性能が落ちてしまうので注意していただきたいですね。貼ればいいってものではありませんから。
本当は、どちらかというと、もともと空力性能の低いクルマに貼った方が、効果を得やすいんです。例えばミニバンなどは、広い室内を確保するためにスポーツカーみたいなカタチにはできないので、空気抵抗が大きいですし、車体の回りを流れる空気も乱れがち。それを、アルミテープのような技術でコントロールしてあげると、大きな効果を得られずはずです。
トヨタ自動車、「86」チーフエンジニア多田氏のコメント。
私も一応技術者のはしくれで以前は車体設計にも少し携わった経験がある。
クルマは「全体最適」が必要で貼ればいいというものではない。というコメントにとても納得できる。
車作りのエンジニア達は日夜、常に車両全体をイメージしながら完成形を目指して仕事をしている。
何でもそうだけど「バランス」がとても大事。良い工業製品を生み出すにはバランスのとれたモノ作りが必須だと私は考える。
そしてあのTRDから公式にアルミテープが発売されました。
TRD RACING~「Vitz GR/GR SPORT」「 PRIUS PHV GR SPORT」
ネットショッピング等でも購入できるようです。トヨタ車をお持ちの方であればうってつけかと思います。高価なのが難点。
・アルミテープについてもっと知りたい方はこちらもどうぞ
→トヨタアルミテープをインマニ、バッテリー、ヒューズボックスに貼った感想
→エンジンルーム周辺にアルミテープを貼り付けて変化のあった場所
・アルミテープ番外編~タイヤにも静電気除去の技術が使われていた話
→タイヤに静電気を除電する驚きの仕組みがある~導電スリット~
自動車メーカーも推奨の私も使っている3M製アルミテープはこちらから。
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