私はこれまでに何台ものアメ車に乗り継いできました。初めてのアメ車はリンカーンタウンカーという車です。
国産車から乗り換えるときは色々と不安もありました。
中でも1番不安だったのは故障です。
購入当時はまだフォードディーラーが国内に存在している頃で、タウンカーはディーラーで購入した車両だった為、
メンテナンス等のアフターはディーラーで気兼ねなく受けることができましたがそれでも
「アメ車=壊れる」「アメ車=維持費がかかる」
と、散々世間では言われていて評判は最悪だった(私の周りでもアメ車の評判は良くなかった)ので、
これからどうなってしまうのか?買ってはみたものの、とても不安でした。
そこで思い切って初めてみたのが個人輸入です。
本場アメリカではタウンカーの部品がこれでもかというほど売っており、
日本国内では見かけないような部品・パーツが検索すればするほど出てきました。
何より、安い。日本で普通に買うより圧倒的に安かったのです。
この安さで部品を買って修理できたらもっと安く車(タウンカー)を維持できるのに…
ディーラーではタウンカーの弱点でもあるリアサスが1本8万もするのに対して、アメリカでは最も安い物で8,000円程で買えてしまうのです。
これは試さない手はない。
そう思い、ちょうど当時はネットで個人輸入がさかんになり始めていた頃で様々な輸入代行業者が手をこまねいていたので、それに乗っかる形でとりかかったのがきっかけです。
私は特に英語が堪能でもなく、初めのうちは慣れない英文に四苦八苦したりしながらサイトで翻訳したた日本語でなんとか購入していました。
それから十数年、今では個人輸入なくしてはカーライフは送れない程、重要なモノとなりました。
そんな個人輸入をみなさんにみなさんにすすめるべく、記事をおこしています。
個人輸入をするにはどうすればいいか?
まずは購入サイトを選ぶ
まずは購入したい部品やパーツをネットで探して、部品探しから始めます。
例えば私がつい先日個人輸入で買いつけたハザードスイッチとエアインテークパイプ。
これを探すには「cadillac xts hazard switch」等、英語でググります。
すると英語のサイトがズラっとヒットします。
その中から部品を販売しているサイトだけをピックアップして最安のサイトだったり、発送が早かったり、検索にヒットした中からいずれかを選んで購入する。
といった流れになります。
わかれば部品番号の数字をたたいて検索するだけでもヒットします。
この方がピンポイントでヒットすることが多いのでいいかもしれません。
そして購入するサイトは大体決まってきます。
eBayか海外の部品屋のサイトか、このどちらかになってくると思います。
部品屋は似たようなサイトがたくさんあってどこで購入する迷うこともあるでしょうが、その中から1番安いところを選んで私はいつも買っています。
送料は少し高くとも、使い慣れているサイトを選ぶことも多いですね。
代行業者か?自分で買うか?
お目当ての部品・パーツが見つかったら今度はそれをどうやって購入するか?を決めます。
方法は2つ。輸入代行業者を使うか、自分で直接購入するかです。
私は直接購入するようになったのはここ数年の間です。
それまではずっと代行業者を使って購入していました。
代行業者を使えば手数料がかかってしまいますが万が一何かあった場合、例えば商品が届かない、違う物が届いた、壊れていた、等のトラブルがあったとき売り手側に掛けあってくれるので安心です。
自分で購入する場合は商品代金+送料のみですが、全て自己責任となります。
何かしらトラブルがあったときに売り手側と直接交渉できるような英語や外国語のスキルをお持ちの方であれば、代行業者を使うメリットはあまりないのかもしれません。
代行業者経由で買う
上記のように業者で買い付ける場合は代行手数料がかかってしまいますが、購入した商品に対して独自に保険を掛けている業者もあったり、商品に不備があれば返品・返金に応じてくれたりします。
英語や外国語のスキルが全くなくても売り手とのやりとりは代行業者が全てやってくれるので、誰でも簡単に個人輸入ができることが最大の強みです。
eBayを利用するとき、私は代行業者を利用します。私がよく利用する代行業者は次の2つです。
・セカイモン
セカイモンはeBay公認の代行業者です。
サイト発足当初は取り扱う品物が少なかったり、発送トラブルなども絶えませんでしたが、現在はそういったことも少なくなり安心して利用できるようになりました。
ここの1番の強みはヤフオクライクにeBayが利用できることです。
リアルタイムで入札が反映されるので馴染みがあり、抵抗感がありません。
ですのでセカイモンはeBay代行初心者向けのサイトです。敷居が低いので興味のある人にはとっつきやすい業者と言えます。
初心者向きとはいえ、サイトデザインがよく作りこまれていてスマホでの使いやすさも抜群なので私もたまに利用します。
難点は他の業者と比べると手数料が割高であるという点でしょう。
・ジョイベイ
以前セカイモンが取扱品目を大幅に少なくしたことがあり、使えないサイトに成り下がってしまったため、セカイモンの代替え業者として選んだのがこのジョイベイです。
ジョイベイの特徴はeBayだけでなく、アマゾンや他の個人商店での代行も可能な点です。
また、追加で購入した商品に対して保険を有償でつけることができ、一例としてもしも輸送中に紛失、輸送中に破損・故障してしまったとき、スムーズに返金対応等の形で応じてくれます。
サポートも手厚く、メール対応は基本的に24時間以内に返事が返ってきます。
私は基本的に個人輸入はジョイベイを今まで使用してきましたが、代行手数料もセカイモンより安く良心的な代行業者と言えます。トラブルになったことは1度もありません。
自分で購入する場合
自分で購入する場合はeBayなりどこかの販売サイトなり、そこから直接部品の購入手続きをします。
代行業者、自分で購入、どちらの場合も購入の際の支払方法はクレジットカード決済が大半になります。
そして海外での部品購入の多くはPayPal決済を求められる場面が多いので、登録しておいて損はありません。
PayPal(ペイパル)公式HP
日本ではイマイチ知名度が低いペイパルですが、ペイパル決済は相手側にクレジットカードなどの情報が渡らない仕組みになっているそうで、以前からアピールしていました。
eBayの他にも私が好んで購入している部品サイトがあるのでそちらをご紹介します。
Rock Auto(ロックオート)
全世界のあらゆる車種をカバーしている部品商サイト。
その種類は本当に凄い数で見ているだけでも楽しめます。
日本の車屋、部品商の方も利用することがあるとか以前聞いたことがあります。
アメリカ、ドイツ、イタリア、フランス、日本も当然あります。かなりマイナーな車も登録されていたりします。
ネジ1本からでも購入できます。ここで自分の車の部品を探してみると新たな発見があるかもしれません。
商品発送は通常だと2週間前後もあれば手元に届きます。
TASCA PARTS.com
国際配送を大々的に謳っているサイトです。
こちらは上記のロックオートとは違い純正部品販売に特化したサイトで、パーツカタログを見ながら部品を選択して注文していきます。
パーツカタログを見ることで自分の車に使われている部品の値段が手に取るようにわかり、こんな部品まで購入できるんだな、買わずとも見ているだけで楽しめます。
商品発送後は配送ステータスで確認できるようになっているので、今どこにあるのか?追えるようになっているところは安心できます。
ちなみにこういったサイトは他にも数多く存在しています。
個人輸入のメリット
モノによってはかなり安い
個人輸入をする最大のメリットは、なんといっても安い。これに尽きます。
こちらをご覧ください。
ダクトアッセンブリー、スイッチハザード、という部品をヤナセで取った見積りです。
上記画像の2点ですが、エアクリーナーダクトの方が26,290円。
ハザードスイッチの方が42,350円。
部品代だけの値段です。これに交換工賃を合わせると8万は越えてきます。
これを個人輸入でアメリカから直接買いつけるとこうなります。
部品番号20885923 これがエアクリーナーダクトで84.21ドル。
部品番号84144311 これがハザードスイッチで71.39ドル。
プラス送料が67.69ドルで合計223.29ドル。
現在のレート(20.01.18)換算で日本円にすると約24,600円になります。
どうですか?
日本でまともに買うと部品代だけでも70,000円近くなるのに25,000円でおつりがきます。
このケースの場合特にハザードスイッチが安いですね。
42,000円が8,000円になるわけですから、約5分の1の値段で買えることになります。
あとは自分で交換するなり、持ち込みでどこかの整備工場に依頼するなりして交換すればいいだけです。
当然アイテムによってはあまり安くならなかったりすることもありますが、ほとんどの場合は日本の価格より3~7割程度安く購入できます。
修理費85万→20万に抑えた事例
サスペンション交換の見積もりをヤナセで取ったところ、
約850,000円と高額な見積もりが出てきました。
フロントサスペンションからガタガタ・ゴトゴトと異常とも言える異音が発生し、
リアサスペンションからはオイル漏れも見つかり車検に通るか怪しいとのことで4本交換時の見積もりを出してもらったときです。
高くつきそうとは思っていましたがここまでとは、といった感じでした。
フロントサスペンションが1本約200,000円、
リアサスペンションが1本約100,000円、
サスペンション本体だけで600,000円にまでなってしまいます。
私の車人生、修理金額としては今までで最大の金額です。
サラリーマンには簡単に支払える金額ではありません。
それがこうなりました。
フロントサスペンション1本約322ドル
リアサスペンション左1本約259ドル
リアサスペンション右1本約268ドル
ダストカバー1個約3.4ドル
ショックマウント1個約89ドル
スタビリンク1本約17ドル
コイルインシュレーター1個約10ドル
日本円換算でザックリと約200,000円ということになります。
今回はヤナセ見積もりにあったボルト類やワッシャーなどの流用できそうな部品は購入しませんでした。
交換工賃は知り合いのショップに格安でやってもらい、トータルで大体230,000円と大幅に安くすることができました。
230,000円でも修理費としては高額な部類に入りますが、4分の1に費用を圧縮できたのは個人輸入あってこそ。
日本にない仕様も手に入る
個人輸入の魅力の1つに日本には出回っていない仕様の物も手に入る、というのも。
例えば日本にはないグレードのホイールであったり、サスペンションであったり、
その部品の弱点を克服した強化品(ヘビーデューティー)、なんてものもあったりします。大抵はこういったモノはサードパーティ製ではありますが。
チューニングパーツも豊富でリンカーンタウンカーの強化ミッション、キャデラックSRXの後付けスーパーチャージャーなど、
日本ではまず手に入らない、というか知られていないようなモノまで実に様々。
更にヘッドライト、テールライトはアメ車に限ってのことかもしれませんけど、大体どの車もOEM品が出回っていて新品が安く手に入るイメージです。
あちらでは消耗品として確立されているのでしょうか。
このショックはリンカーンタウンカーのビルシュタイン製ショックです。
もしかしたらアメ車屋を営んでいる方ですらこのショックの存在は知らないかもしれません。
アメ車と言えばフワフワな足回り、というイメージを持つ方は未だに多くいらっしゃると思います。
タウンカーはそんなアメ車の王道をいく車なので皆様のイメージ通りの足回りなわけです。
船の様な乗り味、車体が傾くほどのコーナーリング、現代の車にはまずない乗り味です。
狭く、曲がりくねった道の多い日本ではちょっと使いにくいのでこのビルシュタインのショックを入れたところ、ビシっと引き締まりました。
少し話をしますと、もともと私が乗っていたタウンカー98’~02’モデルにはツーリングと呼ばれるグレードがあり、そのグレードには少し硬めのショックが純正でも設定されていたようなのです。
その硬めのショックもノーマルショック同様、様々なメーカーから類似品が発売されており、ビルシュタインのこのショックもその一環だったのかな?と今になって思います。
個人輸入のデメリット
すぐ手元に入らない
海を渡って来る関係上、すぐには手に入りません。
最短でもオーダーが確定してから1週間程は見てください。遅いと1か月以上待たされることもあります。
年末年始などの長期休暇が間に入ると中々動きません。
私の場合アメ車に乗っているのでアメリカから輸入するのがほとんどなのですが、日本とは違って迅速に発送してくれません。大体1~3日位入金してから待たされます。
保証がない
たまにですが不良品が届くことがあります。
動作しない、破損している、キズがある、といった具合に。
国内のディーラーや部品商から購入した物は当然これらの不良は返品がきくものですが、こうしたトラブルにも自分で対応しなければいけません。
外観上に不備がある、動作が完全ではない、こうした物が届いても保証などは一切なく、こちらが売り主に働きかけない限りはそのままです。
そしてこういったトラブルは解決するのが困難になるケースも結構多いのです。
返品に応じてくれない、違う物が届いた、品物を送り返したのに何ヶ月待っても何も連絡がない、連絡がつかない、などです。
私もたまにこういったトラブルに巻き込まれます。
しかし、昔に比べるとだいぶ改善されてはきました。
慣れれば簡単な個人輸入
個人輸入は敷居が高そうなイメージですが、始めて見ればこんなに簡単なんだなと実感することと思います。
基本的には購入するサイトに住所と連絡先の個人情報と支払情報を登録すれば終わりです。
一昔前まではちょっと詳しい人だけが利用している、
というのが現状でしたけど現在は代行業者も増え、売り手側も購入しやすくするよう色々と工夫して、個人輸入に対しての敷居はかなり下がりました。
商品配送に対するリスクは残念ながら拭いきれませんが、そういったリスクをしっかりと承知したうえで利用すれば輸入車の維持費をグンと下げることが可能です。
使いこなせば輸入車を維持する上で必ずと言っていい程つきまとう、高額な修理費に頭を悩ませることはなくなるかもしれません。
実際に私は20代後半から現在までずっとアメ車を乗り継いでいますが、個人輸入があればこそ維持できたと思います。
今は海外のサイトも勝手にグーグルが翻訳してくれたり、かなり使いやすくなりました。
初めて使う海外のサイトでも日本の通販で物を買うかの如く、手軽です。
個人輸入ができれば、「輸入車を維持する」という敷居の高さもかなり低くなるはずです。
余談ですが、現在の愛車であるキャデラックXTSは日本ではまずみかけることのないマイナーな車なので、日本ではなかなか情報を仕入れることができません。
そこで本国のキャデラックオーナーサイトを覗いて故障や弱点、メンテナンスなどの情報を仕入れています。
そういったサイトには修理をするのに有力な話題も数多く、それらを参考にして部品を買い付けることもあります。
自分でよく仕入れられますね。
と先日もディーラーの方に言われましたが、誰でもできます。
アメ車を付き合っていく上で、私の中では個人輸入はなくてはならない存在で慣れてしまえば本当に簡単です。
ちょっとやってみようかな…?
と思ったら、是非1度足を踏み出してください。
コメント
個人輸入大賛成です。私もBMMWを20年以上、ここ数年はporsche cayenneに乗って
いますが、とにかく日本では部品が高いですね。UKとかUSには多くの部品商があり、
とても安く手に入る事は魅力ですね。
私は時に北欧の会社からも取り寄せますが、直接個人輸入が出来ない国がありあすね
。最近は無視して送ってくれる業者もありますが、USはほぼ「日本へは送れません」
と後日返信があります(私の場合ですが)。
仕方なく業者を通すと15万のFRPボンネット(チューナーズブランドもどき)の送料
が、20万なんてのがありました。加工塗装を入れて50万になったとか失敗も多いです
(笑)
これからも記事を楽しみにしております。
おっしゃる通り、輸入車は部品の価格が日本だと高すぎます。
つい最近も愛車のATクーラーパイプの価格を調べましたが、本国だと円換算で約1,800円ほど。
ヤナセ価格だと9,000円しました。
送料や保証料などもあるでしょうからこれはまだ納得できる方ではありますが。
中には本国価格よりも10倍以上する部品などありますから、
この辺りの事情が「輸入車は維持がしにくい」というイメージの一因になっているのかなと。
ボンネットを輸入されたのはすごいですね。そこまで大きな物は輸入したことはありません。
貴重な体験談ありがとうございました。
初めてまして、コメント失礼致します。私も2013キャデラックXTSを所有しております。
ハザードランプの点灯は部品交換で改善されましたでしょうか?
私のハザードランプは全然点灯しませんw
初めまして。XTS乗りの方からのコメントは嬉しくなります。
私のはスイッチ交換で改善されました。
ヤナセの担当も、これまでに同様の症状でXTSのハザードボタンを数回交換した記憶がある、
とおっしゃっていたので弱いところなのでしょう。
シュウ様、ご返信有難うございました。私も交換致します(^^)
今後も楽しく拝見、参考にさせて頂きます。
ありがとうございました(^^)
初めまして!
底辺リーマンですが2014年のCTSを飼い始めました!
早速やはりハザードが不調でサンキューハザードしたところ消せなくなりました(笑)
情報とても参考になりました。ありがとうございます(^o^)
お役に立てて何よりです。
あまり更新頻度は高くありませんが、ヒマがあればまたお越しください。
2018年キャデラックctsに乗ってます。ヘッドライト内部のコーティングの液ダレが発生し、保証期間内なのですが、メーカーの承認が降りず交換できないとの事で、ディーラーに頼むと40万(片側のみ)くらいになると言われました。海外のサイトで見ると10万くらいで売っているので個人で輸入してみようかと思ってます。ところで車のパーツは関税が掛かるものなのでしょうか?
十数年前ですが、色々な車のヘッドライトを輸入していた時期があります。
重量によって送料が上下しましたが、大体5,000円~10,0000円の間で収まりました。
ヘッドライトに関しては何か特別な関税がかかった記憶はございません。
中古を購入される場合は気をつけてください。かなり汚れていたり、説明にはない破損があったり、いい加減です。
新品の場合も、できるだけメーカー純正品を購入することを勧めます。
社外品は動作不良があったりしますので。
お返事ありがとうございます。TASCA PARTS.COMで新品の純正品があったのでそちらにしようと思います。とても参考になりました。情報ありがとうございます。