いつものように毎年の会社の健康診断を受け、その受診結果を待っているときでした。今年は結果が出るのが遅いなあ思っていたときです。
健康診断を受けたことなどもう忘れかけていたとき、やっと結果が会社から渡されました。
いつもは封筒に1枚の受診結果表が入っているだけですが、その受診結果表とは別にもう1枚、封筒に入っていました。その用紙には「要精密検査」と書かれていました。
便潜血の項目で「陽性」と出てしまったので専門機関等で検査を受けて下さい。という旨の書面でした。
大腸検査を受けるまで
医療機関を探す
受診した結果内容が悪くても、健康診断を受けた場所(診断を請け負った病院)からは何も連絡はありません。
精密検査を受けて下さい、というだけで検査を受ける病院は自分で探して決めなければいけません。
聞くところによると便潜血陽性でひっかかってしまった場合、その後の展開で1番多いパターンは大腸検査を受ける、とのこと。
私は大腸検査など今まで受けたことがないし、何より血便が出てしまったことによる不安で頭がいっぱいでした。
大腸がんにでもなっていたらどうしようとか、悪いことばかり考えてしまっていました。
人間、思い込みの力は相当なもののようで、その受診結果を知ってからはなんだか体の具合が悪いような感じがして仕事にも影響が出てしまいました。
脱力感や仕事に対してのやる気が出なかったり、なんとなく軽い腹痛になってしまったりと既に悪影響が出始めてしまっていたので、すぐにでも検査を受けてスッキリさせたい。という想いの中で仕事をしていました。
そしてなんとか仕事を定時で切り上げ、地元の消化器科に「会社の健康診断で便潜血陽性と出てしまったのでどうすればよいか?」と電話で伝えてから受診することにしました。
ここで地元の病院を選んだのは、その後に待っているであろう大腸検査に備えてのことでした。詳しい理由は後ほど。
大腸検査を受けることに
わらにもすがる思いとはこのことか、と病院へ向かう道中感じながらも何を言われてしまうのか?というある種の恐怖と緊張も入り混じりながら足早に向かいました。
選んだ病院はここ最近できたばかりの病院で、個人経営ながらも最新の設備を完備していてなんとなくここなら安心できそうだ、と感じて選んだ消化器専門の医院です。
診察室に呼ばれ、感じのいい先生からどうされましたか?と。会社の健康診断で便潜血陽性と出てしまいました。と伝えると、なるほど、わかりました。と。まずは触診してみますのでそこのベッドに横になって下さい。
と指示されて、色々とお腹を押されながらここは痛くないですか?今まで何か病気はされたことは?といった問診を受けました。
触診した限りでは何も異常はありません。と聞いてちょっと一安心。
私が、便潜血陽性で引っかかるとその後の展開はどういうものになるのか?と尋ねると、やはり大腸検査が一般的みたいで、私も後日大腸検査お実施することになりました。
便潜血陽性で引っかかって不安でしょうがない、という不安感を伝えると「実は陽性と判断された人の半分は何もないことが多いんです」と。
「今までの経験から言うと陽性と判断された中の大体20%位の方がポリープがあって、更にポリープがあった人の2~3%位の人ががんです」
あ、そんなに問題ない人が多いんですね。と、私はその言葉を聞いてかなり安心しました。
「ですがかなり稀に受診されたときには大腸がんで、他の臓器にあちこちに転移している人もいて….」
「やっぱり大腸検査を受けてみないとなんとも言えないんですよね。ポリープだと思って取った物が実はがん化していた、ということもありますので」
「便潜血診断はかなり少量の血液でも反応してしまうので、精度がいいとも言えますけどデリケートすぎるとも言えます。ちょっとした痔でも(陽性と)出てしまいます。」
「これを機会に大腸検査を受ける、と考えてもらって。あまり緊張しなくても大丈夫ですよ。」
私の容態は詳しくはやはり検査をしてみなければわからない、ということで残念ながら?大腸検査を受診することになりましたが、色々と事細かく説明してくださって不安感はだいぶ和らぎました。
先生からの診察を終えると今度は大腸検査を受けるに当たっての説明を、看護師の方から受けました。
簡潔に説明すると
・食事制限は前日夜8時から始まる。以降は検査当日まで固形物は口にしてはいけない。
・海藻類や食物繊維の摂取は前日から避ける。前日はなるべく消化のいい物を。
・腸管洗浄剤(要は下剤)を2時間にわたって10分おきに200ccづつ飲む。
ということでした。
「大腸検査は検査そのものは肛門からカメラを挿入して大腸内を隅々まで調べます。その時は弱い麻酔を使うので痛くはありません。」
「検査そのものよりも薬(下剤)を飲むことの方がツライです。」
と説明されました。やはり大腸検査はカメラを入れるのか….。話を聞くと胃カメラや大腸検査は大変だって聞くし、正直なところ乗り気にはなれません。
しかしこれを乗り越えないとずっと不安を抱えながら生活することになるし、万が一何かあったときにはもう手遅れ。なんてことは絶対に避けたい。
そう自分に言い聞かせ、検査当日を待ちました。
大腸検査当日
ついに検査当日です。
当日の朝から画像にある腸管洗浄剤(下剤)に水を2リットル入れ、パック内の薬剤と混ざるようによく振ります。
知人から○○天然水とかを買ってきて使うとちょっとは飲みやすい、と言われていたので事前に買ってきてそれを使いました。
ちょうど2リットル入っていたのでわざわざ水道水を2リットル分計らなくてもいい、という手間が省けました。
完全に混ざったところでいよいよ飲用するわけですが、やはり抵抗感はあります。何やら白っぽい若干とろみのついた得体のしれないモノを飲むわけですから。
朝の8時から10時にかけて、飲みます。
洗浄剤は無味ではなく、ちょっとレモン風味?がかっていて少しでも飲みやすいように配慮されているようです。
はじめのうちはスイスイ飲めるのですが、それも3杯目位まででだんだんキツくなってきました。
何がキツイのかと言うとそんなにいっぱい飲めない、ということにつきます。
だんだんお腹が膨れてきてそれでも10分間隔で飲み続けなければいけない苦痛。次第にそのレモン風味?な味も気持ち悪く感じるようになってきました。
そこで飲みだして1時間もしない頃、急激にお腹を下しはじめそこからはトイレへ10分おきにかけこむように。
9時を越えた頃はトイレ→下剤を飲む→トイレ….の繰り返し状態となってしまい、ここがかなりツラかったです。
いきなりくるんです。普通であれば、「あ、なんか出そうかも….」という兆候があると思いますがそれが無く、いきなりです。
もうトイレの近くにいないと間に合わない、極端なことを言うとトイレの前にずっと座って待っていてもいい位、それ程急にきます。
大腸検査へ
何とか下剤を全て飲みきって午後からの検査へと病院へ向かいました。病院へ向かう道中でもお腹を下しそうになって1度公衆トイレへ駆け込みました。
ここが前述の、地元の病院を選んだ理由。です。
自宅から遠い病院だと病院へ着く前に何度もトイレへ行かなくてはならない、ということになってしまう可能性があります。
それを避けるために自宅から近い病院を選びました。
遠かったら病院で下剤を渡されて、腸内がキレイになるまで繰り返し飲まされることもあるみたいですね。
そして緊張しながらも検査台で横になります。
検査台へ上がる前に着替えさせられ、お尻に穴の開いたハーフパンツのようなズボンに着替えさせられます。お察しの通りパンツのその穴からカメラを差し込むわけです。
術中は前日説明を受けたように、軽い麻酔を受けながら行います。点滴タイプの麻酔でした。
意識はありますが、少しボーっとする程度でしょうか。そんな中でカメラを挿入されます。確かに何か入れられているなあ、という感覚はありましたが全然痛みはありませんでした。
肛門付近の挿入されている痛みは全くありませんでしたがカメラ?がお腹の中を通っているとき、途中通りづらかったのかグリグリされるような場面が何度かあってそれは痛かったですね。凄く痛い腹痛、のような感じでした。
検査が始まってからどの位経ったでしょうか?私は横になっているだけなので時間はわかりませんでしたが、30分~1時間位でしょうか。ようやく「終わりましたよ~」と看護師の方から声をかけられ検査終了の合図。
起き上がろうとしたら麻酔が効いているのかとてもフラフラします。肩を貸してもらわなければまともに歩けないほどでした。
検査室を出てすぐの個室で「ここでちょっと休んでいてください」と言われてそこで横になること1時間。いや、2時間はなかった位。
そこで看護師の方から診察室へおいで下さい、と声がかかり、まだ少しフラつきながらも結果がどうだったのか?緊張しながら診察室へと向かいます。
検査を終えて
検査結果は「何もありませんでした」の一言。
この言葉を聞けてホッと一安心。ポリープもなければもちろんがんもない、キレイな腸でしたよ、と。
では何故便潜血検査で引っかかったのか?
それを聞くとカメラで撮った数十枚の写真を見せられて、その内の数枚にポツポツと腸壁に赤い点があるのがわかります。
先生が言うにはそれは一時的な出血で、何かの拍子で腸膜にキズが付いて出血してしまったのか、炎症を起こしてしまっているのかはわかりませんが、この程度の出血であれば何も問題はないとのこと。
大腸の膜は2~3日で完全に貼り替わるので、それで回復するでしょう。とのことです。便潜血検査で引っかかったのはこれが原因の可能性が高い、と言われました。
病院の帰り、本当に何もなくてよかった。とつくづく思いました。健康って大事だなあと。
ポリープ程度であれば日帰りでの手術も可能だそうで、今後は数年に1度の受診を勧められました。
人によっては毎年便潜血検査で陽性と出てしまう人もいるようで、その度に検査しても何もない。
そういう人は3~4年に1度の受診をそこの病院では勧めているそうです。40代を越えると2年に1度は受けましょう、という話をよく聞きますが、そこまで頻繁にしなくてもよい。というのがそこの病院の方針みたいです。
今度は40を迎えた頃、受診しようと思います。やっぱり下剤を飲むのが1番キツかったですが、次回からは少しは慣れて、楽になっていることを願います。
コメント