私は10数年前、ガソリンスタンドでアルバイトを約1年間経験してきました。当時はフリーターであったので週5位でシフトを組んで出勤し、ほぼ社員と変わらない位の仕事量をこなしました。
そこでの経験があって幸か不幸か?今の車好き、という生活に繋がっているので人生経験としては非常に楽しいものだったのは間違いないのですが、そこでの仕事内容には疑問を持たざるを得ないようなところも正直ありました。
トラブルが急増しているガソリンスタンドでの車整備
2013年頃から急増
上記の記事を見たとき、ついにネット記事にも上がったか….。という気持ちでした。
記事には2013年ころから急増、と記載されているけど実際にはもっと多くのクレーム件数があるはずです。これは氷山の一角にしかすぎません。
私がアルバイトで働いていた2000年代前半ですら、記事内容に酷似したようなありえない整備が横行していました。会社側(ガソリンスタンド)もそれを推奨しているかのような、そんな職場環境でした。
実際に行っていたあり得ない整備・販売
故意にタイヤをパンクさせる
これは今思えば完全にNGな行為です。
洗車で、あるいはオイル交換などの軽整備で入ってきたお客さんに対してタイヤを売りつける。というもの。
そのやり方は非常に悪質なもので、お客さんの見ていないところでキリなどの先のとがった物を使ってタイヤに穴を開け、もしくは釘を刺し、意図的にパンクさせてタイヤを販売するというやり方。
それを素知らぬ顔でタイヤパンクしてますね~、とお客さんに説明し、うまくいけばタイヤが売れ、最低でもパンク修理代が稼げるという最低な行為。
オイルを強制的に売りつける
給油しているお客さんに対して無料点検と称してボンネットオープンを促します。大体10人声をかければ5人位はボンネットを開けてくれます。
そこでエンジンオイルチェックを行うのですが、従業員は点検チェックシートというものを常に持っていて、そのシートにエンジンオイルを垂らしての汚れ具合を簡易的に目視確認できるようになっています。
少しでもオイルの色が黒かったりすると「これはもう交換しなきゃダメですね」などと吹聴してオイルの売り上げに繋げます。
中でも車に詳しくない女性の方や高齢の方などがターゲットにされやすく、重要な利益になっていました。
先月主人がオイル替えたばっかりみたいだけど….と言われたりしてもお構いなし。色がもう黒いからもうダメですね。と突っぱねます。
代金をもらってるのにオイルフィルターを交換しない
そこそこ大きなトラックのオイル交換をしていた時です。
オイルフィルターの交換も同時に受けていましたが、どうやってもフィルターが外れなかったのです。
固着がひどく、びくともしません。
その日は雨で売り上げがなく、オイル交換の売り上げでも貴重な利益。社員はそう考えたのか、そのままフィルターを交換したことにして作業を終了。そのままお客さんに車を返していました。
室内清掃をエアブローでごまかす
洗車は重要な収入源です。働いていたスタンドは洗車に力を入れていて平日でも一定のお客さんが来るスタンドでした。
土日になれば洗車ラッシュになることもしばしばで従業員の体力も疲弊してきます。そこで外装の洗車だけでなく、室内清掃まで入ると一気に作業量が増えて時間がかかってしまいます。
そこで時間を短縮するワザとして、室内清掃に使う大きな業務用の掃除機があるのですがそれを「吸う」のではなくエアブロー状態にし、室内のゴミを「吹き飛ばす」ことによって時短に繋げていました。
ゴミを吹き飛ばすといっても車外にではなく、目立たない場所にゴミをおいやる。だけで根本的な解決にはなりません。場合によってはこうした方が室内清掃を早く終わらせるケースもありました。
原因は会社のブラック化にある
どうしてこうした整備や作業が横行してしまっているのか?と言うと、原因は会社側の利益を追求しすぎるがあまり、過剰なノルマを従業員に課している実態にあると考える。
毎月「本部」と呼ばれる本社側からこれだけ売りなさいよ。といったノルマを出される。自分達のようなアルバイトにはその内容が開示されることはないけど、社員は常にノルマのプレッシャーにさらされていて達成しないとこれでもかと罵倒され、見ていて心苦しかった。
そのためか人材が定着せず、常に人を入れ替えているような会社で、キツイノルマをクリア、売り上げを伸ばすためには少し位人の道を外しても構わない。
まるでそんな雰囲気が常態化していて、そこに長く勤めているとその異常な行動さえ普通になってしまうのでは?と思った。
常に人が不足しているので私にも社員にならないか?と声がかかったこともあったけど、社内の実態を知っていたのでもちろん丁重にお断りした。
こういった整備やサービスが日常的に行われているのを身をもって知っているので、私は車の整備は絶対にガソリンスタンドには出さない。
良心的なガソリンスタンドももちろんある。たまたま働いたところが悪質なだけだったのかもしれないけど、上記にあるような記事がネットにあがる、ということは悪質な店舗も多かれ少なかれ存在するという事実があることも知っておいてもらいたい。
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