レアルシルトでボディ剛性を上げる~乗り心地向上を目指す

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レアルシルト

最近クライスラー300の現行型に乗る機会がありました。

非常に残念な話なのですがクライスラーは昨年末で日本への輸入を辞めてしまったらしく、今後は在庫分のみの販売となるようです。メンテナンスは受け付けるようですが、かつてのフォードと同じく事実上の撤退ですね。

そんなクライスラー300ですが、乗ってみて1番驚いたのが乗り心地の良さでした。

具体的には静粛性もさることながら20インチ(もちろん純正)を履いておきながら、突き上げ感のマイルドさに最も驚愕。

まるで17~8インチのホイールかのような突き上げ感。ちょっと悔しいけど私のDTSよりも乗り心地は勝ってました。

そこで何故乗り心地が良いのか?と考えました。300はベンツEクラスがベースになっているそうなので、元々の車体剛性が高いのではないか?と個人的に結論づけました。

DTSもボディ剛性を上げてみようか….どうしたら簡単に車体剛性を上げることができるのか….を考え、もしかしたらデッドニングに使うような制振シートが使えるのでは?と思い、施行してみることに。

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レアルシルトを使って乗り心地向上を目指してみる

材料の選定

そもそもどんな制振シートがあるのか?まずはそこから調べた。

私は以前に車両の遮音性を向上させようと様々な箇所に遮音や防音を施したことがある。その時によく使用したのがレジェトレックス。安価で大量に入手できることから比較的高価なレアルシルトよりもそちらを使っていた。

今回も真っ先にレジェトレックスが頭に浮かんだけど、今回の目的は遮音や防音ではなく、車体剛性UPによる乗り心地の向上。衝撃の吸収や振動の軽減を求めたい。

あれこれと物を探して熟慮を重ねた結果、最終的にはデッドニングでもよく使われる「レアルシルト」を使うことに決めました。

レアルシルトに決めた理由はネットを使えば比較的入手しやすい部材であることと評判の高さ、アルミを基材としている部材であり、そして過去に使用したことのあるレジェトレックスよりも触った感触が明らかに硬質で、より金属補強という観点でみたときに効果が得られそう、と考えたから。

自動車用に使われている制振材にはアスファルト系、ウレタン系、樹脂、ゴム系、他レアルシルトのように鋼板拘束+粘弾性樹脂材料のようなブレンド系、以上のような種類がある。

それぞれ使用用途によって使い分けるのが正しい使い方なのは言うまでもなく、用途を間違えてしまえば効果は出にくい。

上記の中で最も振動抑制に優れている部材は鋼板拘束系の制振材とのことで、アルミを基材にしているレアルシルトを選んだ、という経緯。

貼る場所の検討

レアルシルト

ネットで入手したレアルシルト。1枚1,300円程。まずは5枚購入した。

そもそも制振シートで車体の補強をして剛性があがるのかどうかもわからないし、乗り心地をよくできるか?という部分も実際の事例が少ないので施行してみなければわからない。

貼っても意味がないかもしれないし、お金をムダに使うだけかもしれない。というリスクを承知の上での施行。

ただ剛性を上げるには?と考えたとき、車体鋼板の板厚を上げることができればその厚み分強さは増す。1mmと2mmではかなり強さが違う。たった1mm違うだけでも圧倒的に2mmの方が硬い。

レアルシルトを貼ることによって疑似的に板厚を増して、その効果を狙う。

そこで限られた枚数をどこに貼るか?むやみやたらと貼っても真っ先に思いついたのはサスペンション周り、だ。

単純に車を走らせたときに1番最初に衝撃を受けるのはタイヤ。

その衝撃がサスペンションなどの足回りを通じてボディに振動エネルギーが伝わり、車体を揺さぶる。

その衝撃の入り口であるタイヤからの衝撃を緩和、あるいは剛性を上げて衝撃に耐えられる構造にできれば、と思いついた。

本来であればへたった足回りをリフレッシュするのがセオリー。だけどDTSのショックは大変高価で気軽に交換はできない。ヤナセだと1本20万以上もする。得意の個人輸入を使っても手元に届くまでに1本5万位はかかりそう。

ということで制振シートに頑張ってもらったらどうか?というのが根本の考え。

前述したようにサスペンション周りの剛性を上げたからといって乗り心地の改善につながるかどうかは全くもって未知数。

ネットで調べてみるとサスペンション周りにレアルシルトを施行している人もちらほら見かける。

その方達の多くはノイズ低減を目的にしていて乗り心地改善が目的ではないものの、前例があるのは少し心強い。

レアルシルトを施行してみる~フロント~

DTSボンネット内

DTSフロント レジェトレックス施行

できれば人目につくような場所への施行は避けたい。

ということでホイール、フェンダーカバーを外し、その内部にレアルシルトをまずは貼っていく。

デッドニングではパネルを叩いてコーンと響くようなところに制振材なりを貼り付けるのが基本的なやり方。

今回もその例にならって貼り付けていくつもりだけど、叩いてみても強度の弱そうなところは見当たらない。さすがに足回りは頑丈に作ってあるのか?

わざわざジャッキで上げてフェンダーカバーを外したからには貼り付けたい。叩いてなんとなく弱そうだった部分と自分のなんとなくな勘で貼り付けてみた。

DTSフロントサス1

DTSフロントサスレアルシルト1

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サスペンション周りを重点的に貼り付ける。反対側も同様の施行とした。

もっと貼り付けそうな場所があればよかったけど意外にそういった場所がなく、レアルシルト1枚でフロント両方まかなえてしまった。画像の他にもまだ数か所貼っています。

貼り付けにはもちろん脱脂をして、制振材貼り付け用のローラーをオートバックスで購入。このローラーでグリグリ押し付けて密着させる。

フェンダー内は純正状態でのロードノイズを防ぐ為だと思われるアスファルト系の防音材が若干塗られているので、それらを完全除去しなければレアルシルトを貼り付けることができない。

そこまでの時間はとれないのでフロントのフェンダー内は今回はこれで終了としました。

レアルシルトを施行してみる~リア~

フロントが終わったら次はリア。

リアサスペンション取り付け部はトランク内、横の内張りを剥がせば表れます。

DTSトランク内張り剥がし1

DTSトランク内張り剥がし2

ただ内張りを剥がすだけなのでフロントよりは格段に簡単。

何より驚きだったのが車体鋼板がペラペラでどこを叩いても響いた音を立てる。今回調べた箇所の限りではどこにも制振材の類は貼り付けされていなかった。

そういった狙った設計なのかどうなのかは知る由もないけど、DTSのシャーシは「Gプラットフォーム」と呼ばれるシャーシのアップデート版である、「Kプラットフォーム」というシャーシを採用している。

元々のGプラットフォームは登場年が’95年と古く、新規開発されたシャーシならまだしも、言わば派生品であるKプラットフォームでは新型車に遅れをとっていたとしても不思議じゃない。要は考え方が古いのでは?ということ。

純正内張りの内側にはシンサレートが貼り付いているけど、車体の制振が十分ではないのに吸音材を設置してもあまり意味がない。やるとするならもっと徹底的に詰め込むべき。こういった見えないところでアメ車はコストダウンを図ろうとするフシがある。

さてうんちくは置いておいて、満を持してこのペラペラなボディにレアルシルトを思いきり設置する。

レアルシルト 左リア2

レアルシルト 右リア

サスペンションが取りついている付近のパネルに十分量と思える程のレアルシルトを貼り付けた。トランクフロアにも手が届く範囲で施行した。

本当に残念な位にどこを叩いても音が響く。思えばタウンカーもトランクルームは何も手が付けられていなかったし、去年試乗したATSでさえ、1枚めくればトランクの鉄板は見える範囲ではむき出し状態だった。

キャデラックのフラグシップを名乗るのだったら、もっとこういった静粛性や遮音性能を上げるべきではないのか?と思う。DTSの同時期にデビューしたレクサスLSは静かすぎて気持ち悪い位。

DTS自体がドゥビルのマイナーチェンジであって、基本のシステムは’00年辺りで停止していることを思えば合点はいくのだけど….。

レアルシルト貼り付けの結果

突き上げの変化・軽減

狙った効果が出せたことは嬉しい。確実に突き上げがマイルドになった。特にリアの改善が著しい。やはり強度が不足していたのだろうと推測する。

激しい入力に対してはあまり軽減されることはない。けれど細かな段差やザラザラした路面を走るときに対しては1枚絨毯を敷いてその上を走っているかのような感触に変化した。普通ならばゴトゴト、っとなる段差もコトコト、に。

入力された衝撃に対してボディに対しての割り当て配分が少し減った印象も。ボディへの衝撃が減った分はサスペンションで吸収するような動きも見せる。時折りタイヤだけがブルブルっと振動してうまい具合にいなしてくれるそぶりも。

静かになった

車内の静寂さが増した。これもリア付近から発生する音の軽減がよく体感できた。おそらく軽減された音はロードノイズだろう。車内を無音にするとよくわかる。

静かすぎる空間に身を置くと耳がなんだか耳鳴りしているかのようなあの感覚。そこまではいかないにしろ、そんな雰囲気に少し近づいた。

マフラー音がかなり静かに

これは意外だった。マフラー音がかなり静かになった。体感で4~5割位は静かになったと思う。マフラー取り付け位置がかなり遠くになった感じ。ただDTSのエキゾーストサウンドに惚れ込んでいる私にとってはこの点はデメリットになってしまう。

レアルシルト(制振シート)でのボディ補強は一応成功

その後ボディ補強について色々と調べてみた。ボディ補強の世界はかなり奥が深く、例えばタワーバーを装着したからといって必ずしも良い結果になるとも限らず、中には純正のタワーバーを外した方が乗り心地が向上した、という意見もある。

たまたま今回のケースもうまくいっただけなのかもしれない。ただ変化あったことは確実で変化があったということは剛性に何かしらの変化があった、と考えるのが妥当。

レアルシルトでボディを補強して乗り心地の向上を目指す、という当初の目的は達成できた、とします。

今回レアルシルトを貼ることで予想外の車の変化も知ることとなって、つくづく車というのは面白いな。と思いました。

~参考にしたサイトおよび文献~

・防音材、制振材の特徴

・自動車用制振材

・ストライダー社 防音材(吸音材・制振材)について

・利昌工業 拘束型制振材リコカーム

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