ヤナセ輸入のキャデラックXTSにはオプションで日本製ナビゲーションが選択できました。
XTSがヤナセからリリースされたのは2013年。
そして搭載されたナビはアルパイン製のHDDナビ「HD55」でした。
このHD55ですが発売されたのが2005年頃だったかと思います。
さすがに2013年発売の車にこのナビを搭載するのはムリがありました。翌年にはHD55の地図更新は終了してしまったのです。
搭載された実車を見たこともありますが画質はコンポジット接続なので荒いし、元々古いナビなのでナビ表示・字体のデザインなどに古さを感じさせて、とても最新のキャデラックに積まれるナビとは思えない印象だったのを覚えています。
キャデラック車にはCUE(キュー)と呼ばれるシステムを近年は搭載されているのですが、これが何かと簡単に言ってしまうと室内インストパネル中央に全車ほぼ共通の車両統合デバイスを装備させて、そこからナビやオーディオ、エアコンなど各種アメニティの操作を可能にする、という機能です。
キャデラック車共通のナビシステムが搭載されている、と考えれば早いでしょうか。
近年の車はナビのデザインが車両と一体化しているものが多く、社外ナビを(基本的には)取り付けられない車がとても多くなりました。
まさにキャデラックはこの例に当てはまり、通常では社外ナビを取り付けることができません。
ヤナセで取りつけるHD55は本体部(HDD)とディスプレイが分かれているHDDナビであったので、取付に適していると考えられ採用されたのでしょう。昔はこのタイプもよく見かけました。
しかし古すぎるHD55はXTSリリースから早々に生産を終え、代わりとして白羽の矢が立ったのがパナソニックのCN-Z500Dでした。
当時、唯一本体部とディスプレイ部が分かれていたタイプのこのナビはニッチな層に受け入れられ、多くの輸入車が日本の純正ナビとして採用されてそこそこの台数が出回ったと記憶しています。
程なくしてCN-Z500Dも生産終了、しばらく輸入車のナビ事情は大変厳しいものになりました。取り付けるナビがなくなってしまったのです。
そこで、またまた代わりとして現在脚光を浴びているのがストラーダのCN-F1XVD(Fシリーズ)なのです。
CN-F1XVDとは
パナソニックの上位カーナビ
前置きが長くなりました。
現在ではCN-F1XVDの後継機が発売されていますが、未だに根強い人気があります。
このナビの特徴はなんといっても大きなディスプレイにあります。
加えてディスプレイの角度をある程度自由に、向きを変えられるというところです。
これによってドライバーの見やすい角度へ簡単に調整が可能となって、日差しの映り込みの低減にも役立ちます。
ブリリアントブラックビジョン
CN-F1XVDは「ブリリアントブラックビジョン」と呼ばれる低反射のパネルを装備。
斜めからでも見やすい画面である、とされています。
光の反射を抑え、黒の再現力を飛躍的に高め、明るくて見やすい低反射パネルを採用。カーナビディスプレイの見づらさを感じるドライバーのストレスを極限まで低減。引き締まった黒が映像の美しさを繊細に描き出します。
パナソニック CN-F1XVD HPより
実際CN-F1XVDのディスプレイはとても見やすく、映り込みが少ないと様々なレビューにも情報が上がっています。
大きな画面と相まって見やすく、使いやすいと好評のようです。
ブルーレイも視聴可能
今では当たり前となったブルーレイですが、ブルーレイディスクにも完全に対応しています。
CN-F1XVDは上記ブリリアントブラックビジョンに加え、元々の画質が良いのでブルーレイの映像美も堪能することができます。
ディスプレイのスペックは1280x720なので、ブルーレイのスペックである1920x1080を完全には表現できないのですが、それでも十分キレイに映ります。
ナビ更新3年間無料
期間限定になってしまいますが、一定期間が経過するまでナビの地図更新は無料です。
CN-F1XVDに限ると2021年12月10日まで無料で更新できます。
有効期間は2019年8月下旬から2021年12月10日とメーカーHPに記載があります。
今購入する人は無料期間が切れるまであと1年ちょっとしかありませんけど、それでも1回分は無料で更新できるのはお得です。
有効期間内のうち1回のみ無料ということなので、地図が古くなるのが気にならないという人は有効期間ギリギリまで待って更新するのがいいかと。
ナビ更新には2種類あり、全地図更新と部分更新があります。
全地図更新は1回のみですが、部分地図更新は年6回更新の予定があり、こちらは期間内何度でも更新できるようです。
部分地図更新の内容は
・道路地図
・案内画面
・音声画面
・地点検索データ
の記載があります。
道路地図については主要道路のみ、とのこと。部分更新だけでは道路の全てがアップデートされるわけではないようですね。
CN-F1XVDナビの更新方法
無料更新期間が過ぎてしまった、すでに更新してしまった方は最新地図データの入ったSDカードを購入するか、アプリからダウンロードするか、のいずれかの方法となります。
・SDHCメモリーカード版:¥17,000(2019年2月現在)
・ダウンロード版:¥9,980(2019年12月現在)
今はネットも普及してるし、何か事情がなければアプリからダウンロードするのが安くていいですね。
購入版はダウンロードなどの手間がなく、すぐに使えるのがメリットですが価格差を考えると….といった感じです。
CN-F1XVDの感想
画質が良い
現行のストラーダと比べると見劣るかもしれませんが、それでも全然キレイです。
画質が良いというのはブルーレイ鑑賞もそうですが、当然ながらナビ自体の見やすさにも直結します。
この部分、実は結構大事なポイントだと思うのです。ナビに表示されている文字が読みづらいとストレスを感じるので。
道路の制限速度が一目でわかる
ナビ上に常に今走っている道路の法定制限速度が表示されます。
これは遠出したときや旅行に行ったときなど、かなり便利です。
走り慣れていない道路は制限速度がわからず、速度超過してしまうこともあると思います。
ナビ画面を見ればいつも出ているので助かります。
お手頃価格
ネット購入すれば8万~から購入できます。(2020.8月現在)
型落ちとは言えまだまだ人気が高いので、上位モデルがこの価格で購入できるのはお手頃感があります。
ナビ精度に難がある
先日箱根まで旅行へ出かけました。
行きはよかったのですが、いざ現地の旅館へ着いてみるとナビが全く使い物にならなくなってしまい、苦労しました。
この旅館は箱根山中にあり、おそらくそのことが原因だったのではないかと思うのですが、ハッキリとしたことは不明です。
1泊した翌朝になってもナビは正常に戻らず、いつまでも箱根の山の中をグルグル回ってました。
エンジンを切ったりしても症状は改善せず、結局ナビが正常動作したのは帰りの道中、高速道路に乗るまでずっとおかしなままだったのです。
それまではスマホのナビを使ってしのいでいたのですが、地方に行くたびにこの調子なのかと思うと思いやられます。
これだけではありません。
自宅から数分走るまで、ナビの自車位置が同様に狂う場合がたまにあるのです。
あり得ない街中を走ってみたり、やはりおかしな挙動を見せます。
箱根の山中ならばともかくとして、街中でも自車位置が狂うのはいかがなものかと。
このナビの色々なレビューを見てみると、若干数ナビ精度に疑問を持つ方々がいらっしゃいます。
その反面、全く問題ないとする書き込みもあるのでナビの個体差なのか?取り付けた車両によるのか?それとも住んでいる地域によるのか?
原因は全くわかりませんが以前までずっと、およそ10年間で3台のサイバーナビを使っていた私から言えることは
サイバーナビはどのモデルでもこんな事は一切なかった
ということです。
CN-F1XVDの輸入車取付キット
ナビはサイバーナビ一択な私ですが、このナビを選んだ理由は冒頭で少し述べたような社外ナビが取り付けられない、といった事情があるからです。
トライポッドからリリースされているCN-F1XVDを車種専用に取り付けるキットがあります。
キット、と呼ぶような簡易的な物ではなく、純正のナビディスプレイをバラして配線加工し、CN-F1XVDの本体部を純正ナビに繋げることでさも純正のような使い心地を実現させている商品です。
ワンオフに近い感じですね。
配線加工だけでは映し出すことは不可能です。同社のインターフェイス等、諸々の機器や専用ハーネスが必要になります。それと知識も。
純正ナビ画面を使うので当然、CN-F1XVDのディスプレイは使用することがありません。なので自慢のブリリアントブラックビジョンは堪能できません。
本体部分はトランクへ、元々アルパインHD55があった場所へ。
できればサイバーナビを入れたかったですが、これしかナビの選択肢がなかったので仕方ありません。HD55は古すぎるし、純正ナビはアメリカでしか使えないので論外。
元々は妥協して選んだナビですが、このキット、まるで純正のような見栄えと使用感で言われなければ社外だと気づかない人もいるでしょう。
タッチ操作もそのままに、違和感などありません。よくタッチ操作まで可能だなと感心します。
この取付キットはディーラーにも卸しているとの話で、完成度の高さが伺えます。
キットに使用している部品やインターフェイスなどは海外製らしいですが、製品の設計などは日本で行っているとのこと。
非常に複雑な設計な為、動作条件等とてもシビアでちょくちょく調子が悪くなったりするようです。(メーカー談)
言ってしまえば純正のラインに無理やり割り込みをかけてナビの映像を表示させているので、細かなトラブルは発生してしまうのが現状のようです。
それでも今まで悩みのタネだった輸入車のナビ事情に一石を投じる商品であるのは間違いなく、対応車も少しずつ増えていて諦めていた「輸入車にナビを付ける」というのが叶えられる一品、というアドバンテージはかなり高いですね。
しかも後付け感がなく純正風。輸入車乗りの方はその車のデザインや雰囲気を大事にされている方が多いので、内装の雰囲気を壊したくない人はこの商品うってつけです。
しかし、その夢をかなえる代償として支払う対価もまた高い、というのが頭を悩ませます。興味を持たれた方は検索してみてください。
こんな取付方法もあるんだ、ということでご参考までに。
CN-F1XVDをサイバーナビと比較
CN-F1XVDを購入検討されている方はサイバーナビと比較検討している方が多い印象です。
サイバーナビと比較したときに感じたことは以下です。
・ナビ精度はサイバーナビに軍配が上がる
・音質は調整の必要有。調整込みでもサイバーナビと同等位。
・ナビのルートは狭い道を選びがち。
・コスパはイイ
ナビ精度に関しては上記でも少し触れた通り、個人的にはちょっとお粗末だなと感じてしまいます。
高速道路の下を走っているときに高速道路として認識してしまう、ということはサイバーナビでもありましたけど、そういったレベルの話ではありません。
道路のナビゲーションをしてほしいからナビを購入したわけで、肝心のその機能がしっかりしていないというのはある意味致命的ではないでしょうか。
衛星みちびきも大した仕事してないね、と思ってしまいます。
私のような思いをしている人がいる反面、ナビ機能には問題ない、満足、と回答しているレビューも多いのは事実。
ナビを取り付けた車両、環境、個人の感じ方にも左右されるとは思いますが、ずっとサイバーナビを使い続けてきた私の感覚で言うとナビ機能に関しては褒められたものではありません。
次に音質について、これもサイバーナビの方が良い音出していました。
CN-F1XVDはサイバーナビと同じような感覚で調整が可能なので、調整ありきで考えれば同等位の音質にはもっていけると思います。私はあまり詰めていませんが。
プリセットされている「音の匠」のサラウンドモードなどを選択するだけでも結構変わります。
前後独立でイコライザー設定できるので、こだわって音の調整したい人は楽しめるのではないかと。
ナビルートの選定について、これは各メーカーの考え方が反映されてくるので一概に良い悪いを決めづらいところではあるのですが、やや狭いルートを選びがちなところはあるのかなあと。
軽やコンパクトカーでなければキツイ、という道案内をガンガンしてくるので困ったところです。
これもルート案内の調整項目があるので条件を煮詰めていけば改善されてくるだろうと思いたいのですが、まだ試行錯誤中で結果が出し切れていません。煮詰まってきたら当記事の修正をもって再レビューします。
そもそもサイバーナビと比べると価格帯が少し違うので、サイバーナビよりも割安でここまでの機能を有していれば十分「買い」なナビだと思います。
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