それは突然やってきました。
ある日、買い物を済ませて車に戻りエンジンをかけようとすると、何故かシリンダーが回らない。
アクセサリーON、の位置で止まってしまう。
何かがおかしい。再度ブレーキを踏みこんだのを確認し、キーをひねる。やはり回らない。ひねるごとにメーターの演出である針が振りきれる様を何度も見ながら、少しずつ焦ってきた。
「もしやこのままエンジンがかからないのでは?」
予感は的中。結局そのままレッカーで搬送される事態になってしまいました。
エンジン始動不能の原因
パーキングが「P」位置にあるのに読み取れていない
上記画像はそのシリンダー位置がアクセサリーON、状態の画像。1部警告マークが付いてますがこれはアクセサリーON、にしているため。
スピードメーター部分にシフトインジケーターがあるのですが、これがどこも指し示していない。
この時シフトは「P」位置にあったのにも関わらず、「P」が点灯していない。ということはコンピュータがパーキング位置を認識していないのではないか?と疑った。同時にこれがエンジンがかからない原因なのでは?と。
DTSはエンジン始動の際にパーキング位置にシフトがいないとエンジンを始動させることができない。そしてエンジンがかからないのだから、シフト操作をすることもできない。
これは困った、どうしよう。こんなときの緊急用にシフト解除ボタンか何かがあるのでは?と考え、マニュアルを読み返してはみたけど、そういった機構は装備されていないようだ。
そしてどうにもならなくなり、いつも入庫しているヤナセへ連絡して対応策を教えてもらうことに。
しかしヤナセの回答は「どうにもならないのでレッカー搬送するしかありませんね….。」という残酷なもの。DTSにはやはりマニュアルでシフト解除する、といった機構は備わっていないようだ。
そしてそのままロードサービスを手配し、レッカーでヤナセまで運んでもらうことに。故障当時、もう夜9時近くだったので入庫は明日以降になる、とのこと。
原因は小さな部品の破損
連絡があったのはレッカーされてから2日後のことだった。
こちらとしては初めての事態で、一体どんな故障なのか?もしかしたらミッションが死んでいて高い修理費を取られるのでは?と、ヒヤヒヤしながら連絡が来るのを待っていた。
そんなとき担当サービスの方から連絡があり、
「車両を点検しましたところ、ミッションの中にある小さなクリップのような物が割れていて、それが原因でワイヤーが緩んでしまい、パーキング位置から動かなくなっていました。」
私では詳しい詳細やシフト周りのワイヤーの機構などわからないけど、そのクリップのような物でワイヤーを止めてあったのに割れてしまった為、ワイヤーの動きが抑えられず緩んで抜けてしまった。というようなニュアンスの説明があった。
これが破損したクリップ。
ミッション内に収められているので距離を走っていたり年数が経つと、熱や老朽化によって割れてしまうことがたまにあるそうだ。
DTSに限らずドゥビルでも同じ故障が起こるとのこと。他のキャデラック車でもあるかもしれない。
そうそう破損しないらしいけど、少なくもないとのことで突然シフトが動かなくなったらコレが原因かもしれません。
修理にはミッションオイルパンを外す
ミッション内に収められているので修理にはオイルパンを外さなければならない。
このことでオイルパンガスケットとATFの入れ替え作業が伴い、破損したクリップの値段は2,000円位なのに他の部品代や工賃の方が高くついてしまった。
作業のついでにタイヤローテーションもお願いし、エンジンオイルのドレンパッキンを2枚購入。総額87,000円程の修理内容となった。
10万越えも覚悟していただけに、思ったよりも安く済んで助かった。というのが正直なところ。ディーラーではなく、町の修理工場に出せばもっと安く抑ることもできると思う。
今回の故障は何も前兆がなかったので、事前に故障を予想することが極めて難しい。部品代が安いので予防整備として、ATF交換か何かのついでに交換してもいいのかもしれない。
遠出して車が動かなくなったら大変ですよ。私は幸い近場だったし、広いところに車を止めていたのでレッカー車もすんなり入ってくることができたし、その辺は不幸中の幸い、という言葉がピッタリ当てはまる。
それよりもそんな重要な部品を樹脂で作ってしまうのもどうなのかと。本来であれば絶対あってはならない故障だと思うのですが….。お国柄の違いでしょうか。
出費は痛かったけど、こんな故障もあるんだなあと改めて再発見?した故障でした。
コメント
[…] シフトがパーキングから動かず、レッカーで運ばれる事態に […]