車製造業の筆者が見るコロナで追い込まれた製造業の現状

スポンサーリンク
スポンサーリンク

自動車業界に限ったことではないのですがwithコロナと呼ばれるようになった昨今、自動車業界は厳しい状況に追い込まれています。

日本の経済基盤は製造業が支えていることを忘れてはいけません。

飲食、サービス関係の仕事の離職率が目立つ、とよく報道されていますが製造業界もそろそろ限界です。

開発予算が出ない

下請け会社は大元の会社があって初めて成り立ちます。

しかし今は大元の会社ですら仕事を取り合っている状況。

トヨタ・日産・ホンダの各自動車メーカーが車を設計、

設計した図面なりを持ち込んで抱えているメーカーに希望や要望を伝えて仕事を発注、

仕事を請け負ったメーカー(1次下請け)は抱えきれない仕事分を自分達の下請け企業(2次下請け)に仕事を回す….

大体こんな感じで車製造業界は動いているのですが、今はトヨタ・日産・ホンダ、メーカー側の開発予算が限られていて十分な量の受注ができません。

すると最初の1次下請け会社内で十分仕事をさばけてしまうので、2次~3次下請けまで仕事が回ってきません。

そうなるとどうなるか?

下請けメーカーの倒産・廃業が起こるようになります。

今は新車を製造しても以前の水準まで輸出もできない状況、国内新車販売も少し回復基調にあるとはいえ、まだまだ冷え込んでいると聞きますので開発予算が出ないのは至極当然のことです。

予想よりも厳しい自動車製造業の現状

自動車製造業に従事して早14~5年が経つ筆者です。

私が勤務している会社は土日の他に週1回の休業が全社員に課せられています。

仕事の受注が薄い為です。

残業はゼロ目標、休日出社は禁止。

仕事がなければどんどん休んでくれて構わない、と上からお達しまできました。

なので平日の休みが増え、時間を持て余すことが増えました。

仕事が全くなくなったワケではないのでまだマシな方で、本当に開店休業状態の同業者がいるという話も聞きます。

会社に出入りしている各業者、商社や清掃業の方に話を聞いても「どこに行っても厳しい状況」らしく、商社に至っては売上が半分位まで落ち込んだそうです。

とある日産の製造工場では土日は完全に休業、残業は禁止しているという話を聞きました。

原則として対面会議は禁止、取引業者等の部外者の立ち入りはアポなしでは認められないなど、仕事をする上では窮屈な状況にある企業もあるようです。

既に県内にある大きな試作会社が倒産した、という話も耳にしました。

次はいつ自分達に….そんな思いで製造業界の方々は今働かれていると思います。

私はたまに規模の大きな取引先に納入や打ち合わせ等で出入りすることもありますが、明らかにコロナ前とは雰囲気が違うのを肌で感じます。

緊急事態宣言後の5~6月以降から更に状況は悪化してきたように思います。

そのころはなんとなく対岸の火事、のような他人事で済ませていた部分もありましたけど、ジワジワと影響が出始め今では笑えなくなってきました。

1番ツライのはこの状況の収束のメドが全く立たないことです。

それは製造業に限らず、コロナで苦しまれているみなさんも同じなので耐えどころなのでしょう。

しかし….体力のない中小企業は持たないというのも現状で、限界があります。

状況はリーマンショックかそれ以上とも言われています。

日本の製造業の技術力は小さな町工場が支えている側面もあり、こういった素晴らしい技術をもった企業がなくなってしまうことは日本の製造業の技術力を失ってしまうことと同義です。

一刻も早くコロナ前の水準へと戻ってもらいたい。そう多くの方が願っているはず。

頑張って耐え抜きましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました