随分前の話になりますが今私が乗っているDTSが納車されて間もないころ、あることに気づきました。
それはスピーカーが鳴っていない、ということです。
鳴らないスピーカーはリアドアに取り付けられている部分で、普段はあまり必要性の感じないところではありますが、やっぱり鳴らないスピーカーをそのままにしておくのは気分的に良くありません。
スピーカーを交換すれば直るだろう、と考えていましたが….事態はそんな簡単なモノではありませんでした。
スピーカーが直るまで~故障個所を把握する
スピーカー交換でも直らず
画像は左リアドアトリムです。この左リアドアからのスピーカーから全く音が出ていない状態で、前オーナーも気づかなかったと思われます。
購入したDTSは法人車両でカスタムされた形跡はなく、全て純正の状態。なのでスピーカーも純正でした。これを機に社外品を入れてもよかったのですがスピーカーカスタムする予定はなかったので、このまま純正を前提とすることに。スピーカーはオークションで純正中古を手配。
純正でも壊れること位あるだろう、とそのときは軽い気持ちで考えていたのですが….。
早速スピーカーが届き、交換しましたが….それでも鳴らない。
これはおかしい。何も音が出ていない。何回もカプラーを抜き差ししてみても音が出てくる気配は全くありません。
まさか購入したスピーカーも壊れているのでは?と疑いました。しかし出品者は音出しチェックはしてあるというこで、それも考えにくい。
ではどこがおかしいんだろう?純正アンプ?アダプターを介してサイバーナビを取り付けているから、その辺りが何か悪さをしているのか?それともアダプター自体が悪いのか?
色々考えてみましたが原因がつかめない。これは困った、どうしよう?
よし、専門家にお願いして点検してもらおう。と思い、近場のオーディオに強い個人ショップに連絡してチェックしてもらうことにしました。
専門家に診てもらうも原因不明
そこはオーディオ以外にも車両カスタム全般を手掛けていてDTSもカスタムした経験がある、というショップ。希少なDTSの事を知っているということだけでもポイントは高い。なのでそこにお願いしました。
チェックにはナビ裏の配線の通電を確認するのでインストパネルの脱着が必要になり、工賃で15,000円かかってしまう。と言われました。点検するだけでそんなに工賃がかかってしまうのはちょっと納得いきませんでしたが、自分ではどうしようもないのでお願いすることに。
そして点検結果は「原因不明」
どうやらナビまでは電気がきているらしい。しかしそこから先で何かが起こっているのではないか?ということでした。
どこかで断線しているのかもしれないし、もしかしたらナビ側で何か接続不良が起こっているのかもしれないし、断定できない。と。
断線のチェックは時間とお金がかかってしまうのでスピーカーケーブルを新しく引き直した方が早いです、と言われましたがそこまでの予算はかけたくなかったので、とりあえずその場はショップをあとにしました。
断線を疑う
点検結果ではナビまでは通電している、とのことだったので問題はそこから先。そのあとのリアドアに至るまでに何かがおかしくなっている可能性が高い。
自分でチェックできる方法は断線位しかなく、前述の通りショップで断線チェックをお願いすると配線1本1本をテスターで当たっていく作業になるので、時間もかかるしその分どんどん工賃もかさんでくる。
それは最後の手段として考え、まずは自分でできるだけのことはやろうと。そうなると断線箇所を探る位しかやることはない。
再度リアドアトリムを外し、断線しているところがないか確認してみる。しかしやはりそういった箇所は見受けられない。
断線箇所の特定に成功
そうそう簡単には見つからないか….と意気消沈しているとき、なんとなくドアヒンジが気になりました。配線を通してありそうなゴムカバーがあるんです。
ちょっと外してみようと思い、カバーを外すとリアドアに繋がる配線の束がコネクタにぎっしり収まっている。
そしてその中に断線している配線を偶然にも発見してしまった。それが画像の赤マルと黄マル。
ちょっと興味本位で開けてみたところが断線個所の原因となる部分だった。このときの嬉しさは例えるならドラクエでパーティー全員瀕死な状況で、偶然会心の一撃が出てボスを倒してしまったときと同じだった。
カプラを外して端子を抜く
原因がわかれば話は早い。カプラを外して端子まで引き抜く。そして新しく配線を繋ぎなおせばスピーカーは鳴るはずだ。
端子は力任せにペンチで引き抜き、電工ペンチで新しくケーブルの配線を剥いて端子を再利用。
できれば再利用はしたくなかったけど、この形の端子がどこを探しても売っていないので、だったら再利用してしまった方が早いと。
細かい作業は苦手で四苦八苦しながらもなんとか端子の再圧着に成功し、そのままカプラに戻した。
原因はドアの使い過ぎ?
この配線を再度かしめてカプラに戻す、という作業が1番苦労した。限られたスペースしかなく、配線も余裕がない。しかも劣化して硬くなってきている。無理して作業をするとまた断線しかねない。
細心の注意を払いながら端子をカプラに戻し、カプラを再接続。オーディオを鳴らすと見事にスピーカーは復活。リアドアから音が出てくるようになった。感無量の瞬間。
何故このようなことになったのかというと、憶測でしかないけどこの車両は法人で使われてきた車。会社社長や要人の送迎に使われていたであろうと思われ、その証拠に運転席程ではないけど後席左の革シートのスレ具合が大きい。
頻繁にドアを開け閉めしていたであろうことが考えられ、それを繰り返すうちにストレスがかかって断線してしまったのでは?と予想される。
実際にリアドアを全開に開けてみると結構配線が引っ張られている。かなりのテンションがかかっていそう。
ヤナセに聞いてみるとキャデラックだけではなく、ベンツやBMWでもたまにこういった事例があるそうだ。
この件以来、リアドアは思いっきり勢いよく開けるようなことは避け、手でサポートしながらゆっくり開けるようになった。
スピーカーが鳴らなくてお困りの方、もしかしたら原因は以外なところにあるのかもしれません。
コメント
[…] ・スピーカーが鳴らないのはどこかで断線してるかも? […]