冬場はバッテリーにとって最も過酷な時期らしい。
車におけるバッテリーの役割は端的に言ってしまえばスターター(セル)を回すこと。
その他、オルタネーターで発電をまかないきれない電装品の補助、という側面もある。
比率で言うと最初のスターターを回す、という役割が7~8割をしめているイメージで間違っていないはず。
バッテリーがなければ車はエンジンを始動させるとができない、とても重要な部品です。
冬場は外気温が下がることでバッテリーの始動力が下がり、エンジン始動トラブルの原因となることが多く、真夏に続いてバッテリーが原因でレッカー移動を余儀なくされることが多い季節です。
「車を支える屋台骨」としてカーライフを支えているバッテリーですが、どういうわけかあまり世間では重要な部品、という認知度は低いように思えます。
そんな車の縁の下の力持ちであるバッテリー、これを高性能なバッテリーに変えたらどうなるか?
ここではそんな高性能なバッテリーである「オプティマバッテリー」に焦点をおいて記事にしています。
オプティマバッテリーの特徴
オプティマバッテリーはドライバッテリーの構造を持つバッテリーです。
スタンダードな液式ではなく、欧州車に純正採用されているVALTAバッテリーと同じような構造です。
ドライバッテリーというのは何か?というのはここでは掘り下げませんので興味のある方は検索してみてください。
液体封入式と比べると高価ではありますが、一般的な特徴としてメンテナンスフリーであることやセルスターターの安定化、CCA値が総じて高めなのが特徴です。
オプティマバッテリーは3種類のラインナップが用意されています。
レッドトップ、イエロートップ、ブルートップがあり、それぞれ得意としている分野が違います。
オプティマのレッドトップは、一般乗用車のコンパクトなサイズでありながら、大型ディーゼルエンジンも始動できるパワフルなスターターバッテリーです。
https://www.kai-you.com/electrical-hardware-sub/optima.htm
オフロードやレーシングカーなど、厳しい条件下での走行が求められている車輌に最適です。車のエンジンキーを回した瞬間に力強いスターティングパワーを生 み出すレッドトップは、世界中のプロのユーザーの皆様から高く評価されています。パワーの秘密は、オプティマ独自のスパイラルセルテクノロジー。
-40度C~+40度Cという幅広い状況下でも強力なスターティングパワーを提供し、耐振動性、耐衝撃性にも比類ない性能を発揮します。
丈夫で液漏れしない構造が長寿命とメンテナンスフリーを実現しました。
もちろん一般の乗用車にも最高のパフォーマンスを提供します。
エンジンスタートを主な目的するのがレッドトップ。瞬発力を重視した性能特性です。
ディープサイクル度はブルートップ、イエロートップより低くなり50回ほどとなります。
オプティマイエロートップは、過酷な環境下でも安心して使用できるプロ仕様のディープサイクルバッテリーです。
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ウインチやエンジンヒーター、大型オーディオシステムなどが搭載された特殊車両のバッテリーには、非常に大きな容量が要求されます。
これに応えるのが、スターターバッテリーとディープサイクルバッテリーの長所を融合したオプティマのスパイラルセルテクノロジーです。
この先進技術により開発されたオプティマイエロートップは、完全放電サイクルを実現。
その大容量によって、放電中の電圧を高いレベルで維持し、蓄えられたパワーを余すところなくフルにご活用いただけます。
また低い抵抗が、カーステレオの音質も向上させます。
イエロートップは、繰り返し充電にも有効容量を大きく低下させることなく対応。
また自己放電率も低く、特定の季節のみの使用にも最適です。
深く放電をさせても350回は復元可能な特性をもったディープサイクル型バッテリーです。
ボート、ヨットのエンジン始動、大きな電力を消費する装置類などマリーンには特に優れた性能を持つディープサイクルバッテリーが必要です。
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サイドスラスター駆動用電源など特殊で厳しい環境での使用には、高い耐湿度性と耐振動性を備えたオプティマのブルートップが最適です。
オプティマ独自のスパイラルセルテクノロジーにより急速充電が可能で、高湿下においても大型ディーゼルエンジンを確実に始動します。
パワーの回復が早く、厳しい使用条件に耐え、長期にわたる酷使にもハイパワーを持続するオプティマブルートップは、クイックな起動でエンジンの痛みを防ぐとともに、燃費の節約と環境保護にも貢献します。
スターター機能とディープサイクル特性を併せ持つオプティマブルートップは、クルーザーやヨットのバッテリーとして理想的なバッテリーと言えます。
深く放電をさせても350回は復元可能な特性をもったディープサイクル型バッテリー。
大ポールの横に小ポール(サブ端子)が付属しております。
エンジン始動に特化したレッドトップ、車両の電装装備が多く、電気を多く必要とする場合のイエロートップ、マリン用のブルートップ、
簡単に言えばこのような用途に分類されています。
オプティマバッテリーのメリット
エンジン始動性の改善
全てのオプティマバッテリーで言えることは、オプティマに変えることで強力なクランキングパワー(CCA)が手に入るということ。
真冬の、極寒の地でもセル一発始動するようになった、という話はよく聞きます。
私は使用したことがないのですがレッドトップの始動性は凄まじいものらしく、10年使い続けても真冬に問題なくセルが回る、との意見もありました。
暑さ、寒さに強いのも加え、ドライバッテリーなので耐振動性も有していることで季節を問わず、安定した始動性を全モデルで確保しているとのこと。
ドライバッテリーの利点ですね。
私が購入したLN3タイプのイエロートップですが、実測CCAは1100も出ているそうです。
非常にハイパワーで電子部品の塊のようなキャデラックXTSにはうってつけです。頼もしい限り。
電装品の作動性改善
オプティマバッテリーの恩恵はまだまだあります。
例えばHIDが瞬時に立ち上がるようになった、メーター周り、エアコンの液晶表示がなんとなく明るくなった、窓の開閉が早くなった等、
電装品の照明や動作そのものに良い影響を与えてくれることが筆者長年の使用で分かっています。
近年の車は特に電装機器をたくさん積んでいて、軽ですらレーダー追従式のクルコンやシートヒーターなどの便利装備が標準となっている時代です。
最近ではドライブレコーダーももはや必須アイテムとされ、
こうした状況を考えると元々積まれているオルタネーターでは発電能力不足なのではないか?
と、噂されているほどです。
最近このような話を聞きました。
「1週間に1度乗るか乗らないか、の車の使用で数か月~半年でバッテリーが上がる事例が増えている。
ベンツディーラーではたった1日、整備でドアの開け閉めをしていただけでバッテリーが上がったこともある」と。
今回オプティマバッテリーを購入した専門店の方から聞いた話です。
確実に昔よりも車が使用している電力量が増えていることの表れだと思います。
オプティマ・イエロートップはディープサイクルバッテリーなので深放電に強く、
また充電回復量も他のバッテリーと比べて高いことから、バッテリーに蓄えた電力を多く使用しても、
1度のエンジン始動→走行で高い充電回復量が見込めます。
通常の液式バッテリーでは充電量が70%切るとバッテリー内部を著しく痛めてしまい、復帰することは困難・もしくは不可能と言われています。
長い間車を使う機会がなく、バッテリーの充電量が著しく減ってしまってもオプティマ・イエロートップでは問題なく回復・使用できることが多いのです。
車は使用していない間でも待機電力を消費し続けており、その間の電力はオルタネーターではなく、バッテリーに頼るしかありません。
セキュリティやナビは常に車の電気を消費し続け、特にドラレコは年々様々な機能を付加されて便利になっていく反面、
バッテリーにかかる負担も大きなものとなっているのは容易に想像できます。
複雑化する車の電装品に対応するには、バッテリーを高耐久の物にする必要があります。
そんなときに選びたいのがイエロートップ、ということになります。
きちんと各電装品に電力を安定供給してくれるでしょう。
オーディオの音質が良くなる
オプティマに変える上でこれを話題から外すことはできない。
それは変えたことでオーディオの音質が良くなる、ということ。
過去3台にイエロートップを使ってきた私はオーディオの音質向上という恩恵に預かれることについてはよく知っています。
イエロートップに変える目的の半分以上は音質向上が目的と言ってもいいです。
カスタムオーディオは勿論、純正のままでも十分変化を感じ取れます。
その変化は音の粒感が良くなり、1つ1つの音がハッキリ、クッキリと改善。
更には低音も引き締められ、全域で音質UPできるというまるで魔法のようなバッテリーなのです。
初めてイエロートップを装着したときは音質向上については知らずに購入しました。
なんだか音が良くなった気がする??
そう思った私は購入店に問い合わせたところ、
「オプティマには音質向上させる特性もある」との回答が得られ、合点がいったのをよく覚えています。
カスタムオーディオ界ではオプティマに変えることで音質の底上げをする、というのはよく知られた方法だそうで、それ程音質については信頼されているということです。
オプティマバッテリーを装着してみて
キャデラックXTSは電装品だらけで走るパソコンと言っても言い過ぎではないと思う。
何から何まで電子化されて所謂古いアナログな「アメ車感」みたいなところは微塵も残されていない。
キャデラックCUEは近年のキャデラックを代表する電子デバイスだし、サスペンションもGM得意のマグネティックライド、
ヘッドライトは勿論HIDでAFS付き、安全面でも最近流行りのサイドゾーンアラート(サイドミラーに映るアレ)に、
独自にシートを振動させて危険を伝えるセーフィティー・ドライバーズシートを装備し、
前方の衝突を事前に警告するフォワード・コリジョン・アラートも備える。
それらを作動させるには各センサーやらカメラやらECUやらも必要だし、とにかくデジタル化がもの凄い進んでいる。
加えて私のXTSはストラーダのSDナビ、CN-F1XVDを追加装備している。
通常では装備できないシロモノであるが少数生産ながらそれを可能とするインターフェイスが存在し、
複雑怪奇な配線と専用インターフェイスを備えて日本製のナビを純正モニターに映し出して稼働させている。(現在、公には廃盤となっている様子)
こういった車にオプティマ・イエロートップはまさにど真ん中なバッテリー。
過去3台の車にオプティマバッテリーを積んできた私はこのXTSにも積もうと納車時から頭に描いていた理想図ではあるけど、
納車整備時にバッテリーを新品に交換しているので、さすがにもったいなくて交換には踏み切れていなかった。
納車から1年が経過し、ナビが正常に立ち上がらなかったりAFSが正常に作動しなくなったり、
前方を見張る為のフロントカメラが作動しないエラーが出るなど、電子的な細かい不調がちょくちょく出るようになってきました。
バッテリーが弱っている兆しはまだないものの、乗らないときは2~3週間はXTSに乗らないときもあります。
まだ早いかな?とは思いつつも交換してしまいました。
購入を後押しした要因としてLN3規格のイエロートップが正規販売開始されていたこと、
販売店に相談したところ、電子トラブルはバッテリー交換で改善される可能性があったこと、この2点です。
購入価格は約4万円と決して安い買い物ではありませんでしたが、
旅行で遠出することも多いXTSは出先のトラブルのリスク回避を狙ってなるべく車両は万全な状態に保っておきたいという想いがあります。
もしバッテリーが原因でレッカー移動されたということがあっては、バッテリー交換よりも多額の費用が発生してしまいます。
勿体ないという気持ちと、
不具合が改善されるかもしれないという願い、
音質を向上させたいという想い、
これらの気持ちがせめぎあった結果、購入するという欲を自分自身止めることができなくなって購入してしまいました。
そうして数年ぶりに購入したオプティマバッテリーは初のLN3規格。
アメリカでは販売されていましたが日本への導入は未定の状態でした。
たまにふっかけた値段で輸入業者がネットで販売していましたけど。
気づいたら正規導入されていてしかも日本仕様に調整を加えてあるらしいです。
自宅に届いたイエロートップはかなり重たく、一般的な女性が運ぶには無理がありそうな、そんな重さです。
私でもズシっとかなり重たく、腰痛持ちには危険な雰囲気です。
毎回オプティマに交換する度に思うのですが、バッテリーの交換はかなり腰に負担をかける作業です。交換作業自体は単純なものですが…
重さがネックでかなり気合いを入れて作業に取り掛からないと腰を痛めてしまいそうで怖い…。
XTSの場合はボンネットにバッテリーがあるスタンダードなタイプでした。
ですがバッテリー上部に何やら基盤?が取り付けられていてそれを取り外すのにちょっと手こずりました。
ツメではまっているだけでしたが、気をつけて作業しなければバッテリーの端子に露出した基盤が触れてしまいそうで。
無事に交換も終わってエンジンを始動。
セルの回りがかなり早くなり驚きました。
気持ち液晶メーターとナビ画面の明るさが向上したような気がします。
そして、期待通り今回も音質は良くなりました。これだけでもオプティマを購入した意義があるというものです。
個人的な意見ですけど、音質UPを狙いたい人はオプティマに交換するのは本当にオススメできます。
スピーカー交換よりも効果あるんじゃないか?という位、自分の中では確立された答えです。
純正のシステムのまま音質向上させたい、という方もいると思うんです。
そんな方にうってつけです。是非試してみてください。
基本の音はそのままに、クリア感、解像度が大幅に増します。(効果がなくても責任はとれませんが)
オプティマ・イエロートップを装着してから早1か月が経ちますが、今のところ電子トラブルは発生していません。
こればっかりは今後の経過観察次第でどうなるかわかりません。
これから更に寒くなりますが真冬時のエンジン始動性に疑う余地はなく、これまでの経験から信頼しています。
いつでも安定したセルの回りは精神的にも安心です。
オプティマバッテリーのデメリット
価格が高い
ネットを漁れば通常の純正バッテリーであればかなり格安で購入することができます。
XTSの純正ACデルコは1万2~3千円で購入できます。
軽自動車のバッテリーであれば3~4千円程でそこそこのバッテリーが手に入る世の中、
倍以上の値段も払ってオプティマバッテリーをチョイスするかどうか?そこに意義を見出せる人は少数派だと思われます。
車が好きで趣味でなければ、オプティマは選ばないのかな?と。
充電方法が特殊
オプティマバッテリーはドライバッテリーということもあり、通常の充電器で充電すると故障の原因となるようです。
オプティマに対応したバッテリー充電器、もしくは専用の充電器がなければ充電するのは困難です。
私はCTEKという充電器を使用しています。
一応ドライバッテリーを充電できる機能を備えているようですが、しっかり充電したければオプティマ専用の充電器を使用した方がいいようです。
ちなみにCTEKを使用していてこれまでに不具合が出たことはありません。
あまり車に乗らないユーザーであれば、定期的に補充電をかけるのが長持ちさせるコツみたいですね。
オプティマバッテリーに変えるメリットまとめ
- エンジンのセルが強力になる
- 電装品を安定させる可能性が大いにある
- 音質が良くなる
東北地方などの冬場寒い地域にお住まいの方々はオプティマバッテリーにすることで、セルの始動性を改善させることが期待できます。
オプティマの構造上、通常の液式よりも電流を安定供給できるので車に装備された電装品を安定作動することができます。
また、2次的な作用としてオーディオの音質改善が見込めます。
価格は決して安いものではないのですが、近年の車両であればあるほどオプティマバッテリーに交換する意義は高いと言えるでしょう。
購入するにあたっては日本正規代理店から購入することを勧めます。
安いからといって、安易に中古品に手を出したり相場よりも安いオプティマを購入するのは避けた方が賢明です。
中古はその後どのくらい使用できるのか不明瞭だし、正規代理店外からの購入は不具合対応していないところもあったりするので。
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